「なにボケっと突っ立ってんだよ」
「いややっぱ180を超えた男のベッドってでかいな思て…俺やったら端から端まで転がって寝相満喫するわ」
「昔泊まった時にも見てんだろ、しかもテメェが陣取って家主放置して勝手に寝やがったじゃねーか」
「よぉ覚えとるな…!昔はそんな意識しとらんかったからな…」
「意識?ってなんだよ」
「えっ……でかいベッドってテンション上がるやん?でもほら今はあれやん……」
「?」
「お、おまえ普段ここで寝とるんやなぁって思って…」
「んなの俺様の寝床なんだからいつもここで寝んだろーが」
「ソーデスネ」
「ああ…あれか、他の奴が使ったんじゃねえかとか気にしてんのか?」
「は!?いやそんな事は…でででも左馬刻もいい男やしやな、それなりに色々あっても…」
「ここは飲み過ぎてグロッキーになった銃兎が転がったくれぇだから安心しろや、シーツもあいつ自分で変えてたわ」
「そ、そうなん」
「適当に枕使えや、あと寒かったら言え」
「おん……なぁほんまに一緒に寝るん?」
「そりゃ寝るだろ」
「けど…クイーンサイズやとしても俺大の男やで?左馬刻狭いやろ…」
「……」
「……な、なんや」
「簓おまえ……照れてんのか?」
「てッッ照れてなんかないわ!!そんなんちゃうし!!」
「っンだよいてーな」
「俺寝相悪いから左馬刻蹴ってまうかもって思っただけやし!」
「おまえいつも縮こまって寝るタイプじゃなかったか?雑魚寝の時とかよ」
「そ…そうやったかな…?」
「まぁテメェに蹴られたところでなんともねえわ、ほら」
「う……」
「……」
「いや近ない?」
「あ?……離れてどうすんだよ」
「いや……まぁ、ええねんけど…おまえの存在が眩しすぎてな…」
「また訳わかんねぇ事言いやがって…電気消すぞ」
「あ、ハイ…」
「……」
「……」
「おやすみ」
「お、おん…おやすみ……え?まじ?」
「あ?」
「なっなんでもあらへんよ…なんでも……」
「……」
「………」
「………ふ」
「…オイ左馬刻おまえ笑ろてるやろ!?」
「笑ってねぇ」
「嘘つけちょっと震えとるがな!!」
「簓がよ…ずっとそわそわしてっから……おもしれーなって……」
「なっなんやねん!!おまえ俺がどんな気持ちでここにまるまっとるか分かってへんやろ…!!おいコラ笑いすぎや!!」
「悪かったよ、それでどんな気持ちなんだテメェは」
「いっ言わへん!!」
「言わねーと俺様分かんねぇんだわ」
「ええねん分からんで…!」
「拗ねんな」
「すねてへんっ」
「おら、腕枕してやっから」
「…腕痺れてもしらんへんで」
「んな柔じゃねーよ……おまえ」
「なんや」
「顔小せぇなぁ」
「ははらはんはほはほやはら…ほいなにすんねんこら!!」
「………」
「な、なんやねんさっきから……」
「……べつに、電気消すんじゃなかったなって思っただけだわ」
「はぁ…?」
「テメェ明日も仕事なんだろ」
「せやで……あっ左馬刻は?おまえが早かったら俺も早く出るけど」
「俺もって…明日何時入りなんだよ」
「11時スタジオやで……あっ!!マネくんに直で行くって送らせてくれ」
「おう……俺はべつに、明日は早くねぇけど」
「そうなん?じゃあゆっくり寝られるなぁ」
「……そうだな」
「? 左馬刻通知来とるで」
「あ? 『夜分ご苦労様ですカシラ明日…』」
「明日?左馬刻呼ばれたん?」
「呼ばれてねぇ」
「おまえ女子高生並みにフリック早いな……え、でも明日言うて…」
「言ってねぇ知らねぇ」
「うそやろ…!」
「俺様の舎弟は優秀だから俺様が顔出さねーでも上手くやれるし俺様が顔出して死んでたらぶっ殺すっつっといた」
「横暴すぎんひん!?ま、まぁほんまにヤバかったらおまえも行くか…」
「そりゃあな」
「でもなんや悪ない?俺の事は気にせんでええんやで?」
「……駄目だ」
「へ」
「おら、ゆっくり寝んだろ、問題ありゃちゃんと言うから安心しろや」
「お……おん……あ」
「?」
(思い出したわ……俺さっき左馬刻にほんまに俺のこと好きなん?って聞きたかったんやった)
「んだよ」
「……んー…左馬刻、俺の顔見える?」
「そりゃ豆球点いてっからそれなりにな」
「そかそか、……もうちょいこっち向いて?」
「あ?………んむ」
「……へへ。おやすみ、さまとき」
「……。……!? ……ッ」
***
(……ハッッなんや普通に寝てもうた……寝れへんかと思ったけど…このベッドめっちゃ寝心地ええし左馬刻あったかいしこんなにぎゅってされてんの幸せすぎて逆に意識飛んでたわ……)
「……」
(今何時やろ……うぉぉ左馬刻おまえ、密着にもほどがあるわ…でも、ちゅー事は俺からもこれだけくっついてもええって事やんな…!?……まだ4時やん、全然寝れるわ…くっついとこ……)
「……ん、ささら…?」
「あわ、すまん起こした?まだ早朝やから寝ててええで」
「……ん」
(あ…左馬刻の腕解けてもうた……)
「…………んだよ…?」
「あ……いや、えと、ちょい寒いから、くっついてたいなぁって……」
「寒ぃならもう一枚いるか?」
「あっ待って…う、うそやから…」
「はぁ?」
「……左馬刻に、こうしてほしかっただけやから…気にせんでええから…」
「…………」
「……ん、なんや…?」
「………簓、かお」
「…え?」
「顔、あげろ」
「? あ…、ふ」
「……ささら」
「!…、ん…っ」
「なぁ……キス、もっとしてぇ…他んとこにも。いいか?」
「え、え!?わ、…あ、の」
「……だめか」
「〜〜ずっずるいでそれ……それに、お、俺も」
「……俺も?」
「俺も、さまときにいっぱいしたい……」
「……そーかよ」
「…あ!また笑っとるやろ…!」
「は、おまえの気持ちが聞けて嬉しいんだわ」