バボスコ(バーボン視点)金曜20時の繁華街は、まさにピークタイムだった。
色とりどりのネオンが煌めくメイン通りは、闇など一切感じさせないほど明るく輝いていて、そこかしこで大学生のグループや仕事終わりのサラリーマンが賑やかに騒いでいた。
「じゃあ、また来週ねー!」
ところどころで聞こえてくる何気ない別れの挨拶が耳障りで、頬を赤く染めて上機嫌に酔っ払う群衆を横目に、早足でその場を通り過ぎる。
『じゃあ、また今度ね』
何の根拠もないその台詞を当たり前のように言い合う彼らが気に食わないのは、きっと過去の己と重なるからなのだろう。
*
『今日の夜、久しぶりに飲みにいかない?』
昼休みに送られてきたメッセージは、今考えると彼にしてはやけに唐突だったかもしれない。けれど、当時の僕はそういう時もあるんだろうな、と気にも止めていなかった。それより滅多にない彼からの誘いに二つ返事で了承したい気持ちでいっぱいだったのだが。
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