大丈夫なのか、アイツ。
箒で木の葉を掃きながらちらちらと校門の方を見やって早三十分。
校門前に佇む他校生は変わらずその場に立っている。
金髪で茶色のメッシュが入っていて、着ている制服は見たところ西高。鞄の他にきっとギターが入っているであろう形のバッグを背負っている。
西高の男がこの百万北高校に一体なんの用だというのだろうか。
百万北高校は進学校で、とても校則が厳しい学校である。
今までは進学校といえばまあこんなもんだよね。みたいな校則ぐらいしかなかったのだが、最近生徒会長へと上り詰めた男、マリオン・ブライスによってそれは覆されてしまった。
校則、もとい血の掟と呼ばれる厳しい決まりの数は優に百を超えていて、全て覚えている者など決まりを作り出した本人である生徒会長以外はいない。
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