キスの日。昼間、RADの廊下ですれ違った学生が、とある話をしていた。
そんなのあるわけないと思ったけど、聞いてしまったら、意識せずにはいられなかった。
放課後、今日はMCが泊まりに来たので、一緒にメゾン煉獄まで帰ってきて、みんなでご飯を食べて、お風呂に入って、寝るまでのまったりタイム。
定位置であるMCの間にすっぽり収まって、俺の入れた紅茶を飲む。
ポットが空になった頃、俺は、勇気を振り絞って言ってみた。
「…ね、ねぇ……ちゅー、しよ?」
MCが、キョトンとした顔をする。
そりゃ、そうだよね、急にこんなこと言って、ビックリするよね。
「…どうしたの、急に?」
「いいからっ…ちゅうっ」
MCの視線がいたたまれなくて、目を閉じてキスをせがむ。
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