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    kotoka_kamisaki

    @kotoka_kamisaki

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    kotoka_kamisaki

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    ジェトグレジェト。
    捏造妄想オンパレード。アッシュとビリーに登場してもらったが口調がイマイチ掴めてないので悪しからず…
    何でも大丈夫な人のみどうぞ

    求愛性健忘症『記憶が…ねぇ…』
    最近変なことが続いてる、基本的にグレイの身体が起きてるときの記憶は全て把握してるはずなのに、記憶の欠落が生じているように感じる。
    いや、"感じる"ではない。どう考えても空白の時間が存在している。
    そいつは長かったり短かったりまちまちで変則的だ。
    行動記憶が意図的に俺から抜かれてるのかと思い、グレイを疑うも、グレイすら記憶にないようで原因不明。
    隠そうとしてもグレイの事は全て俺に筒抜けだから隠しようもねぇが…
    (何が起こってやがる…?)
    記憶はないのに身体にはついさっきまで動いていた感覚が残っているという恐怖。
    (夢遊病か?)
    それにしては日が登ってる時刻にも記憶が抜けることがあるし、あまりにも突然記憶が抜けるのだ。
    俺もグレイもコントロールしてねぇ身体はいったい何を目的に動いているのか…
    さらに、この気味の悪い事象と重なるように不穏なことが起こっている。
    俺の気のせいかと思っていたがこうも不安な記憶障害が出ていると嫌でも敏感になってしまうというもの。
    精神がざわざわして落ち着かない感覚。
    最近それが断続的に俺を襲う。
    何かが心の中をひどく掻き乱していくようで落ち着かない。恋か、と問われるとまた別の話で、確かに俺はグレイを…ってそれは今はどうでもよくて、そんな甘ったるいもんじゃねぇ
    もっと攻撃的な、いや、毒がジワジワと蝕んでいるような気持ち悪い感覚だ。
    緊張でドキドキする。のドキドキとは違う。本当に息苦しくなる良くないドキドキだ。
    (記憶障害の原因、早く突き止めねぇと嫌な予感がする)

    理由を知るにはまず情報収集から、とりあえずいつもより意識して感覚を記憶してみることにする。
    あぁ日常はあまりにも無慈悲に淀みなく進む。
    グレイは今日は好きなゲームのグッズを買いに行くらしい
    (まぁ、変わったことはねぇな)
    行き先はグレイとは対照的に賑わってるストリート。煌びやかなショーウィンドウにはジュエリーだの料理だのが覗いている。
    まぁ、そんな事には目もくれず向かうは一直線におもちゃ屋なのだが…
    バッチリお目当ての物を手に入れたグレイはウキウキで、カップルや会社員の波をかき分けてさて、帰ろうというところ。
    これは今日は何も起きないだろうと気を抜いちまった瞬間だった。

    目を開いたそこはもう俺とビリーの部屋だった。
    (何が…)
    何がトリガーだったのかわからない。
    いつどうやってここに帰ってきたのか、部屋には覚えの無いアクセサリーのチラシが残っていた。
    (おい、そのチラシどこで貰ったんだ)
    『えっと…いつだろ、よく覚えてないんだけどジェットは知らないの?』
    (知ってたらきかねぇだろ)
    『んー、僕もグッズ買って上の空だったからなぁ、あの通りのお店のだからその時無意識に受け取ったのかも?』
    (ふーん…)
    ありえねぇ
    ただでさえ人を避けるお前がわざわざチラシを受け取るか?しかもアクセサリーの?
    全く記憶にないのも変じゃねぇかぁ?
    少しくらい記憶に取っ掛かりがあってもいいはずだ。
    それが全くねぇ
    ぜってぇ何かまずいことが起きてる。
    (まさか…いや、信じたくねぇな。)
    心が落ち着かない。無慈悲にまた今日が終わる。

    ×××
    今日は気分がいいからビリー君を誘って気になってるお店誘ってみよっかなー
    ジェットは何かソワソワしてるけど、まぁ気にするほどではないだろう。
    あのお店最近評判だし美味しいスイーツ食べれるよね
    そしたらきっとちょっと幸せになれる
    サイトで場所を調べて早速ビリー君に声をかける
    『ねぇビリー君!明日のパトロール終わり空いてたら一緒にコノお店行かない?』
    二つ返事で「OK」をくれたビリー君だけど、
    ゴーグルの向こうの瞳は少し疑うようにボクを見てるように感じたんだけど気のせいかな?

    ***
    グレイ、ちょっと変な気がする。
    なんとなくなんだけド、テンションが高い?
    お出かけに誘われるのは大歓迎なんだけど、昨日は約束したことが曖昧だったシ
    少し調べてみるといつものグレイとは少し違う行動が目立つ。ノリが良いというか、良すぎるというか、おれっちに対してもだけど全体的に距離が近いし活発。
    でも昨日の午後一緒にお出かけに行った時はいつものグレイって感じがして違和感はなかったんだよネ、気のせいだったのかナ?

    ×××
    この身体に一体何が起こっているのか、未だに原因が掴めずにいる。
    定期的に空白の記憶が存在しているようだが、空白があることに気づくのさえ高難易度化している。なんせグレイが気づいていない。
    いや、少し思い出せないことがあるなぁ程度には感じているようだが…
    甘んじて受け入れているようにすら感じる。
    あまりにも危機感が薄い。
    (今日行った店に、ビリーの奴と行く約束した記憶が俺にはねぇ)
    これはもうコッチからの視点じゃ気づけねぇことかもしれねぇ
    気は進まないが協力を仰ぐしかないかもしれない。

    「おい、ビリー」
    『Hi、ジェットってばボクに何か用?』
    おしゃべり眼鏡はいつもと変わらずサラッと俺だと判断して返事をしてくるから俺もききてぇことだけ単刀直入に伝える。
    馴れ合う気はねぇ、あくまでもグレ…俺のためだ。
    「変な事を言うようでわりぃが、最近グレイの奴、妙な動きしてたりしねぇか?」
    色ガラスの向こうの瞳がちょっと驚いたように開いた。
    (何か知ってるな)確信を持って返答を待つ。
    『んー、それってジェットが知らないこと?
    おれっちも何がどうって言われると困っちゃうんだけどさ、なんかテンションが高いときがあるよネ?』
    「テンションが高い?それはいつの話だ」
    ジェットは思い当たる節がないの?とでも言いたそうにこっちを見てからアイツは続ける。
    『んー、直近だとお出かけのお誘い?まさかと思うんだけどさ、記憶なかったり…ってそんなわけないよネ』
    あぁ、否定してぇさ、だが正直なところその記憶は持ち合わせてねぇ。
    「そのマサカだな」
    『それって!!』
    気付きたくなかったが、多分…ソウなんだろう。もうそれ以外の理由が思いつかない。
    「グレイの中に俺ともう一人別のヤツがいるかもしれねぇ」
    『!?じゃあ、あのグレイはグレイでもジェットでもないってこと!?』
    「その可能性が高いな…おい、このことはまだグレイには言うな、確証がないことで混乱させちまったら面倒だ」
    『口止め料は?
    なーんてネ、友達のピンチだもん、おれっちも気にしてみるよ』
    「…何かわかれば無理矢理でも呼び出せ」
    意識が表から離れていく。
    (とてつもなく厄介なことになった)
    何故かひどく虚しく感じた。

    ×××
    気色わりぃことが起きてやがる。
    『アッシュ〜ボクとスパーリングしよ』
    なんてギークが言うわけがねぇ
    いつかのポジティブに似た何かがそこに居た。
    ジェットじゃねぇな
    ギークでもねぇ
    ならコイツは誰なのか
    「あぁ?グレイの身体で気色悪りぃこと言ってんじゃねぇよ」
    『んもぅ、気色悪いなんて失礼だなぁ。ボクはただちょっとトレーニングしたかっただけなのに』
    威圧にも無反応で砕けた返答が返される。
    気持ち悪いったらない。
    こいつは間違いなく偽物だろう。
    タワーに不法侵入か?それともグレイの身体に別の人格ができちまったのか。
    前者ならまずセキュリティーに引っかかるだろうことを考えると、まぁ後者だろう。
    俺が知ったこっちゃねぇが、胸糞悪りぃし、俺様を巻き込むのはウゼェ
    こう言うのはアイツの管轄だろ
    「おいジェット、きぃてんだろ?出てきやがれ」
    『何言ってんの?ボクじゃダメってこと?バカにしてんの?』
    ギークの分際で生意気だ。コイツがギークでもそうじゃなくてもどうでもよくなって胸ぐらを掴みかかる。
    『暴力反対〜ボクはスパーリング頼んだだけじゃん、まだここトレーニングルームじゃないし』
    ウゼェこと極まりなくて壁に投げ飛ばす。
    『…ッッ』
    多分中身が変わった。
    俺を睨みつけるあの目には覚えがある。
    『……豚野郎』
    「お目覚めかよ」
    『他のヤツが出てやがったな…?』
    ぶつぶつ言ってやがるのを見るにジェットもあのニセモノには手を焼いているらしい
    「アイツは何者だ」
    『俺が知りテェ』
    知らない人格、しかもあの状態ではジェットに声は届いていなかったとみた。
    ジェットの野郎はそのままコチラを無視してどこかへ行ってしまった。
    (俺様に迷惑かけやがって、あとで殴る)
    俺は理不尽な暴力を誓った。

    ***
    とても癪だが豚野郎のおかげでついに現場を押さえたわけだが結局何が目的なのか。
    交代人格というのは発生がどうであれ、結局は主人格に都合の良いように作られる。理由のない交代人格はいねぇだろう。
    何かに耐えかねたから生まれたというのが単純に考えられる理由だがそんなふうに思うことが果たしてあっただろうか。
    無意識というのも考えられるが、何か核になる行動理念はある筈だ。
    そして何より問題なのはアイツの行動は支配的であるということ。
    グレイはおろか俺の自由すら奪えるだけの精神的な強さ。それだけの想いがある人格。
    心の中で接触を試みるか、まずそれができるのか。
    グレイに対する攻撃性は?
    未知数すぎる。

    『なーに考えてんの?』
    突如響く声は俺の俺じゃない声をしていた。
    「やっとお出ましかよ、何勝手してやがる。今すぐヤメロ。」
    甘ったるい声のソイツは何でも知ってるかのようにコッチを見ていた。
    『ボクはボクの為に行動するだけ、むしろ勝手やってるのはソッチじゃないの?』
    「オマエ何言ってんだァ?」
    気持ち悪く絡めとるようなトロトロした目はグレイのものじゃなかった。
    そしてその強さが何故だかとても羨ましかった。それはきっとグレイが必要とした想いだったから。
    『ボクより弱いのに吠えちゃってさ、強い気持ちが優先されるのは当然でしょぉ?』
    バイバーイ
    の声を最後に俺の意識が落ちた。

    ***
    「ねぇ、ジェット?」
    ジェットの意識が感じられない。
    普段なら返答こそなくても反応はあるのにおかしい。最近落ち着かない様子だったけどついに何かあったのか。
    「ジェットってば、」
    声を紡ぐ前に身体が硬直した。
    急に自由に動かせなくなった身体は洗面所に向かって動いている。
    (何、な、どう言う…、ちょ、ジェットっっ?)
    『ねぇ、そんなにジェットが好き?まぁ、知ってたけどさぁ』
    鏡の向こうで知らない誰かが僕を見ていた。
    正確には僕だが。
    「き、キミは、、誰?」
    『えー、名前なんてどうでもよくない?』
    名前がないのかな?
    「ねぇジェットは?」
    『はぁぁ、質問攻めしないでよ、僕、いろいろして忘れさせてあげて疲れてるの〜』
    知らないうちに僕が増えていたってことはわかった。
    しかもジェットに手を出したらしいこともわかった。
    「ねぇ、僕の身体で勝手しないで」
    『同じ事言うんだね、やっぱり同じだから?』
    んー、もういいや
    耳がキーンとして身体の主導権が彼に渡ってしまったことがわかった。

    ×××
    ここには覚えがある。
    僕の精神世界。陰気な監獄。あの人格が僕を乗っ取って何かしているのはわかってる。
    辺りを見渡すとジェットが横たわっていた。
    「ジェット!起きて!!」
    駆け寄って揺するとすぐにまつ毛が動いて
    カッと開いた瞳で急に上体を起こすもんだから僕はびっくりしてしまった。
    『あの野郎は!!』
    「と、とりあえず落ち着いて」
    あの野郎とは多分さっき僕と喋っていた3人目の彼のことだろう。
    『結局アイツが身体を乗っ取ったのか』
    「そう、みたいだね…」
    本心では何をしたいのかわからないけどあの子はボクの為に動いてるらしい。
    でも、身体を乗っ取ってまで行動するのはもはや暴走ではないか…
    『アイツが生まれた理由、心当たりあるか?』
    心当たり…
    ジェットは僕に記憶を共有してきた。普段は知れないジェットの気持ちを感じられて不謹慎にも嬉しくなってしまった。
    ずっと知りたかったこと。しまっておかないといけない気持ち。
    『整理すると、アイツは構わず誰かに声をかけて遊びたがってる。意図的に俺らから記憶を消してる。もしくは忘れさせようとしてる。そんなところか?』
    他の事に目を逸らそうとする。
    直視するのが難しい感情。いっそ忘れたいと深層心理で考えていた感情。
    『もう分かったんだな』

    「ストリートで意識が落ちたのはカップルに嫉妬したから。アクセサリーは気を引きたかったから、ビリーくんとのお出かけは寂しさを埋めたかったから、アッシュとのスパーリングは意識を逸らそうとしてたから。」
    『んで、全部バレてんのに隠そうとしてたと…』
    遠回りしすぎたんだ。もうずっと前から気づいていたし、俺はもう最初から…
    「僕ね、その、、キミが好きなんだ」
    禁断の恋ってやつ。
    愛されたがりな三重人格。
    「自分に恋するなんて、しかも同性で、醜く嫉妬までして、、忘れたかった。」
    君の記憶をたどって言葉に変える。
    『オマエが嫉妬深いのなんて知ってたし今更だろ』
    (というか、俺にはオマエしかいねぇっての)
    自覚したら最後。もうとっくに救えない俺たちは最初から互いに互いしかいないのに。
    無駄に嫉妬して。独占したがってた。重ね合わせることすら叶わない欲を持て余して。
    『アイツが虚しさにやられて自暴自棄に身体売る前に戻るぞ』
    ジェットは物騒なことを言ってあの子の意識を引き摺り下ろした。
    現実を素直に認めたからか彼は僕らより弱くなって簡単にコチラに落ちてきた。
    〔二人して拗らせすぎなんだよ、こんなにすぐお役御免になるならもう少し遊んでおけばよかった〜〕
    ニタリと彼は笑って、
    視線の先のジェットは目を逸らし終わったとばかりに足速にどこかへ行ってしまった。

    消えゆくあの子は不穏に紡ぐ。
    〔ボクは一回だってボクがグレイから生まれたなんて言ってないのにね〕
    禁断の恋だと思っていたのは、
    新たな人格を生むだけの想いをもっていたのは…
    〔賢いのにバカなのかなぁ、恋は盲目ってこと?〕
    『そこが好きなんだよ』
    〔コッチも大概かぁ、いつから演じてたの?気づいてたんだろ?〕
    『キミもボクだからね』
    きっと君も気づいてる。
    どこに居たって僕の気持ちは筒抜けだもんね
    でも僕は知らないふりをするから
    君も知らないふりをしていてほしいな。

    精神世界の片隅で、
    途中で気づいて恥ずかしくなって逃げたことくらい僕は見なくてもわかるよ。
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