Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    com_8Ta_

    @com_8Ta_

    妄想垂れ流し垢

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 54

    com_8Ta_

    ☆quiet follow

    ※旗主ワンドロライ『香水』
    ※未成立
    ※大学生×社会人

    合計時間は1h20mでした。
    成人=20歳で書いてます。珍しく成立してない旗主ですが、恐らく糖度は高め。
    香水は全く身に付けないので、詳しくない分野のお題は不備がないかドキドキします。

    #旗主
    flagMaster

    【旗主】“匂わせ”する側、される側.

    「あ……っ、こんばんわっ!」
    「旗野くん、久しぶり」
    隠そうともしない好意を纏わせ表情を浮かべ小走りで駆け寄ってくる旗野くんに、労働からくる疲労で普段の倍は重力を感じている片手を挙げて挨拶を返す。嬉しそうに顔を綻ばせる彼の背後で、ぽろぽろと小さな華が舞う。
    「仕事帰りですか?お疲れ様です」
    「ありがとう。そういう旗野くんは、……こんな時間だし講義の帰りじゃないよね?」
    「大学の友達ン家で課題やってて、その帰りです……っ」
    「学生も大変だねぇ」
    「社会人のアンタに比べたら、それほどじゃ」
    「はは、大変そうに見えた?」
    「えっ、あっ、そうじゃなくて!い、いや、確かに忙しそうだし、社会に出て働くって責任もついてくるから、その、」
    「あと数年で君もそうなるんだから、今のうちに学生時代を謳歌しときなよ」
    「はい!あ、あの、えっと、」
    「うん?」
    俺が社会人になってから遭遇率がぐっと減り、こうして顔を合わせることが珍しいと感じる距離感なってきていて、少しでも会話を引き延ばそうとしているのが丸分かりになっているなぁ。このチャンスを逃すもんかという必死さが滲み出てしまう。
    「……?」
    もごもごと咥内で必死に言葉を組み合わせている旗野くんの声を聞くために彼に近付いた瞬間、ふわりと漂ってきた違和感に俺は顔を顰めた。匂いが、する。香水だ。
    「旗野くんって、香水とかつけるんだっけ?」
    「え、いや。つけてません、けど?」
    だよねぇ。自分を着飾ることに対して、結構無頓着だもんな。せっかく顔がいいのに勿体無い。
    「そっか」
    旗野くんは否定するけれど、確かに香水の匂いは香ってきて。その匂いの元を探るように俺が身体を寄せれば、旗野くんは顔を真っ赤に染め上げて「近い近い近いぃ……っ」と悲鳴のような声を溢している。
    「……に、においます?」
    「ちょっとね」
    「えっと、……もしかしたら一緒に課題やった奴のが、移ったのかもしんねぇです」
    「香水つけてる子がいたの?」
    「多分。俺はよく分かんねぇけど、服装とか拘る奴だから」
    へぇ、そう。ふうん。香水が移るほどのの距離を許したわけだ、君は。
    っていうか、普通はこんなに匂うもんだろうか。直接吹き掛けられてない?
    「帰りになにかなかった?」
    「え、帰り?特には、……出るとき背中にゴミ付いてるっては言われたけど」
    それじゃん!!そのときにマーキングされてんじゃん!!旗野くん、鈍過ぎないか!?鼻詰まってる!?
    「……はぁ」
    堪え切れずに出た溜息に、旗野くんの顔が不安に揺れる。
    「えっと、香水は好きじゃないですか……?」
    「まぁ、そこそこ?」
    「そ、そこそこ?」
    好きか嫌いかの二択で出されると回答に悩むが、モブに徹したい俺が香水などというオプションをつけるわけにはいかないという理由で、極力避けていたアイテムではある。香水は洗剤や石鹸に並んでBL漫画王道の“匂わせ”に使われる優秀な小道具だしな。
    「……俺このあと買い物して帰ろうと思ってるんだけど、旗野くんは?」
    「あ、お、俺も!俺も買い物します……っ!!」
    うん、いま買いたいものが出来た感じかな。素直でいいね。
    「じゃ、一緒に行く?」
    「……はいっ!」
    俺が社会人になってから遭遇率がぐっと減り、こうして顔を合わせることが珍しいと感じる距離感なってきていて、少しでも会話を引き延ばそうとしているのが丸分かりになってでも、このチャンスを逃すもんかと必死にやり取りを続けてよかった。俺の予想通り、大学に通うようになったことで交友範囲が広がって俺以外のフラグが立ってるじゃん。君は俺専用だろうが。ちゃんと相手とのフラグは再生不可能なくらいしっかり折ってんだろうな、じゃなきゃ許さん。
    「最近お気に入りの柔軟剤があってさ、それが切れちゃったんだよね」
    「柔軟剤、ですか」
    「いい匂いだよ、おすすめ」
    「……あっ、その、アンタのおすすめなら、俺も買います……っ」
    匂わせには匂わせで返す。うん、完璧だ。
    宣告された再告白まで残り半年を切ったってのに、今更第三者ポジになど甘んじてたまるか。




    .
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺💖☺☺🙏💜💖💖💖💕☺💕💕🙏🙏💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    com_8Ta_

    DONE※成立if
    ※社会人×大学生
    ※東綾成立済

    リクエストの『旗主成立を知った綾人目線』のお話でした。ちょっとブラコン寄りの綾人といつメンが宅飲みしてます。
    知った×察した○になってしまった感はありますが、高校生組を書けて楽しかったです。北寄りに住んでいるので、関西弁は勉強させてください…。間違いがあれば、こっそり教えてもらえると助かります。
    リクエストありがとうございました!
    【旗主】恋心、深く染色.
    高校生時代から付き合いのあるダチが、大学二年の冬頃から少し変わった。
    とは言っても、通ってる大学は別ンとこ。東條達と遊ぶときに時々声を掛ける程度の間柄って感じで、特別親しい関係というよりも、高校から続いている仲の良いグループの面子の一人。だから、明確に此処が変わった!と言い切れるなにかがあるワケじゃねぇ。ただちょっと、その変化が気になるっていうか、……面白くねぇっていうか。
    「お、なんやこれ!?この辺じゃ見かけんヤツやん!」
    「これ知ってる!少し前テレビで紹介されてたよね!」
    「旗野が持ってきたんだっけ?」
    「おう、結構美味いぞ」
    今日の宅飲みの為にわざわざ通販で買ったというクラフトビールは、飲んでみれば確かに度数の割に苦味はなくて飲みやすい。香りも良い。
    4881

    com_8Ta_

    DONE※成立if
    ※同棲済み

    リクエストから頂いた『同棲済の旗主で旗野くんの手料理は良いんだけど、量が少なく裏でこっそりカップ麺を食べていて、それを恥ずかしくて言えないお兄さん』のお話です。
    お兄さんがあんまり恥ずかしがってなくて申し訳ないですが、ほのぼのは書いていて楽しかったです。
    リクエストありがとうございました!
    【旗主】質も量も愛情も欲しいのです.
    「此処の棚に置いてあったカップ麺のストック知りません?」
    「……知らないけど?」
    「そうですか」
    微塵の疑惑も持たず俺の返答に納得した旗野くんは、再びパントリーの中を漁りながら「まだ残ってると思ったんだけど」と独りごちた。
    一方、リビングのソファでまったりと寛いでいる態の俺の心臓はバックバクである。手元のスマフォ画面の可愛らしいお猫様の動画よりも、キッチンにいる旗野くんの言動が気になってしまって仕方ない。
    まさかこんなに早く気付かれるとは。昨日こっそり食べた分を直ぐに買い足せなかった俺の落ち度だ。
    俺の食の好みを把握している優秀な恋人は、新作や珍しいスープのカップ麺を見掛ける度に甲斐甲斐しく購入してくるワケだが、おかげで補充の為に同じものを手に入れるのに一苦労するのである。旗野くんにバレないうちに買い足すのなら一般的に入手しやすいものを食べればいい話なのは分かっている。俺もそう思う。だとしても、ヨーグルトトマトチゲラーメンは気になるだろ。手が伸びちゃうだろ。俺は悪くない。
    2994

    related works