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    onionion8

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    ポイピクのテキストってどんなかなっていうテスト。短いし会話もないですが気持ちR18なケイアキです。先生に抱かれながらぐだぐだ考えてるアキレウスくんの話。

    他人に身体を許すこと。自分が自分であることをすっかり忘れてしまうこと。その心地よさをアキレウスに新たに教えた男。それがケイローンという男だった。
     もう幾度となく肌を重ねてきているが、いまだにふたりの関係はふわふわとしたままのようにアキレウスは思っている。恋人と、呼びたいならば呼べばいい。それもきっと悪くない。ケイローンはその関係を否定したりはしないだろう。微笑んで、いつものようにキスをして、そうして行きつく先はベッドの上で、またあの快楽をずっぷり身体に刻まれる。揺さぶられるまま喘ぐ声には何度も「好き」という言葉が混じって甘く溶ける。
     恋人だから、こんなこともするのだと、アキレウスはそう理解し行為を受け入れた。そうでなければ男同士で挿入を伴う性交をわざわざしたがる理由がない。女とは違う筋肉質で重い身体、可愛らしくもない低い声、何より準備に手間ばかりかかる男を知らなかった穴。
     よくこんな相手を抱こうと思い、実際抱けるものだと感心しないでもなかったが、ケイローンはいつも楽しそうだった。もう触れてないところなどないのでは、と思うほど執拗に肌を撫でる指。触れられるたびに性感を煽られ身悶えるアキレウスを見下ろす目。悪戯に胸にしゃぶりつき倒錯的な快楽をたっぷり与えてくれる舌。
     散々に喘がされ、淫らに変えられた身体をいっそう可愛がられながら、アキレウスはたびたび自分を見失った。ここにいるのが英雄アキレウスの写し、人類最後のマスターによって召喚されたサーヴァントであることを忘れ、ひとりの男、いや男であることすら意識から遠く捨て去って、ただ悦楽に満たされるだけの器になる。
     やめてほしい。どうか壊さないでほしい。そう恥もなく泣き出す心と裏腹に、身体はケイローンを求め縋りついた。がっしりとした背中は幼い日に憧れた姿そのままで、あの逞しい腕に抱かれているという現実に、信じられないほどの興奮と幸福を感じてアキレウスの頭はいつもめちゃくちゃになる。
     先生はこんなことしない。ずっと胸に秘めたままで育てた恋が、虚像の理想を勝手に作り上げては語り出す。先生がこんないやらしいことするはずない。こんな恥ずかしいことさせるはずない。けれどそんな処女よりもなお初心で純粋な幻想は、服を脱がされるたびに打ち砕かれて捨てられた。
     アキレウスの胸を卑猥にまさぐる手。ふたつの突起をくりくりと弄り回しては性感帯に育てた手。焦らされてしまえば疼いて仕方なくなるそこを、やさしく慰めてくれる意地悪な指。もっと、とねだる言葉に微笑む顔は、知らない男の顔だった。先生がこんな、欲情に濡れた目をするのかと、ぞくぞくと背筋が戦慄いた。
     かたい指先で腰をそろりと撫でられて、大きく脚を開かされ、ひくつく秘部を見つめられる。繰り返し教え込まれた交合による快楽は、こみ上げる羞恥を期待で塗り潰した。すりすりと具合を確かめるように指が触れ、震える息を乱そうと熱い性器が突きつけられる。まだ入らない、そう分かっているのにくぱくぱと吸いつく自分の身体が浅ましい。だがその浅ましさにも腹の奥が切なくなる。
     先生にこんな風にされるなんて。たとえ恋人と呼んでいい関係になったとしても、もともとの関係が崩れて消えたわけではない。先生は今もいつまでも先生だ、とアキレウスは思っている。
     人生の半分は戦いに明け暮れた。それを悔いたことはない。その運命を望んだのは間違いなくアキレウス自身の意思であり、それを成せるようにと育ててくれたのがケイローンという存在だ。
     もし別の選択をしていたら、違う出会いと別れを迎えたか、あるいは出会うことすらもないまま生を終えていたことだろう。そうしてアキレウスという名は歴史のどこにも残らずに、英霊として再びまみえることも叶わなかったに違いない。
     だからこそ、師としてのケイローンはアキレウスのなかでとても大事なものだった。生きること、己の身体ひとつで戦うこと、他者の命を奪うこと。この世を統べし神々と、世にもおそろしい怪物たち。それに数多の英雄たちの物語。それらを教えくれたひと。アキレウスという名前を与えてくれたひと。生まれ持っての才を育て、無垢な心を正しく導いてくれたひと。そして、惜しみなく愛を注いでくれたひと。
     ケイローンに組み敷かれるたびアキレウスは、いけないことをしているという背徳感に襲われる。自分がまだ線の細い少年の姿であったなら、ぴったりと合わせた太ももだけを使われていたならば、これはただの指導と思えたかもしれない。師の生前とは違う人の形の下半身。けれど人よりもずっと大きく立派なそこがいやらしく濡れて猛っている。その様を目にすることは違和感と戸惑いをアキレウスに与えて仕方ない、というのは同じだろうが、それでもそれをいけないこととは思わずいられたことだろう。師からの行為を慎ましく受け入れ何事もなかったようにする。それが作法と信じてアキレウスも大人しく従ったはずだった。
     ぐ、と抉じ開けられる陰部が痛みと痛みだけではない強い刺激に悦んで、身体が淫らに染まってゆく。獣のように腰を振る男にすっかり征服されながら、これは指導ではないと思い知る。なかをずりずりと擦るかたい陰茎が気持ちいい。びくびくと嬉しそうに震えているのを感じてしまうと腰が跳ねる。ぱちゅんぱちゅんと繋がったところから響く音。頭上からこぼれ落ちてくる荒い吐息。時折名を呼ぶ甘い声に耳を嬲られて、アキレウスは何度も快楽の渦に沈められた。
     人を教え導くことが大好きで、真面目ななかにも茶目っ気があり、本気の時にはとことん容赦してくれない。それがアキレウスのよく知るケイローンで、師弟でも親子でもない関係に至った今でもその本質はあまり変わってはいないらしい。それもまた行為のたびに思い知る。
     先生とこんなことをしていいんだろうか。もう何度目かも忘れた自問をアキレウスはぼんやり繰り返す。シーツに投げ出した手を持ち上げケイローンの汗に濡れた頬に触れた。重なる唇が言葉を奪い、絡まる舌が意味のある思考をさらってゆく。すぐ目の前にある身体。触れたところから伝わる熱。解けた髪が肩から落ちて、包み込まれているような錯覚。
     アキレウスはゆっくりと瞼を閉じて眠りの国からの呼び声を聞く。そこでは幼い自分がケイローンの腕のなかで彼の話を聞いていた。きっと彼の教え子でもある英雄たちの話をねだっていたのだろう。もう寝る時間だと額に落とされる口づけに、子供はいやいやと首を振る。もっと話を聞いていたい。大好きな先生が隣にいてくれるぬくもりを、もっともっと感じていたい。その気持ちは覚えていないがよく分かる。
     ぱち、と開いた目に映るのは、情事の後の気怠げな男のゆるく微笑む顔だった。啼かされ続けたアキレウスの喉は上手く言葉を紡げない。ただあたたかい腕にしっかり抱かれているのを自覚して、まだ繋がったままの身体にびく、と小さく感じてしまう。きゅう、と甘えるようにうごめく奥。目覚めてすぐに灯された熱がたまらない。アキレウスは抗いもせずにはしたなく胸を喘がせた。
     ケイローンという男に教えられたこと。それがどんなものであれ、こうしてそばにいられることが何より嬉しく愛おしい。アキレウスは再び貪られるのを予感しながら、ケイローンを真似てゆるやかに笑んでみせた。
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