味噌汁「先生。今日は何点でしょうか?」
「60点。これ、味噌いれたあと沸騰させただろ?煮立ってしょっぱくなってる」
行儀良く正座して味噌汁の出来栄えを問う教え子にきっぱり評価を下す。
「60点…」
文武両道。才色兼備。完璧超人の電波野郎。
何をやらせてもそつなく優秀な成績を修めるこの少年にとって、60点なんて点数は経験したことがないのだろう。
肩を落とし、あからさまに落ち込んだ態度を見せる桂を無視して銀八は食卓に並んだコロッケに箸を伸ばす。
あぁ、やっぱりこの惣菜屋のコロッケにはウスターソースだな。てか挽肉の量減ってない?不景気の波はこんなところにまで及んでいるのか。
物価高騰の煽りを受けたコロッケを咀嚼して、60点の味噌汁に目を向ける。
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