トントン、と遠慮がちに肩へ触れた手に気づく。俺は読みかけやった神の御本から目を離して傍らのよーへーの顔を見上げた。
「? どーした?」
「いや、飯パスタでいいかなーと思って」
「え、最高。ごめん俺呼ばれたん気づいてなかった?」
没頭しすぎて声聞こえてなかったんやろか、悪いことしたなーと思ったけどどうやら違うらしい。よーへーが首を横に振って、何や急に後輩らしい態度で話し始める。
「……なおき、くんさ、名前呼び捨てでええよーて言ってくれたやん」
「おん、言うたな昨日」
「今日何回か呼んでみてんけど、年上の人呼び捨てにするのやっぱ落ち着かんくて、、」
割と臆さずに人と接するこいつがこんな迷いを見せるのはちょっと珍しくて、何やそれでさっき名前呼ばれへんかったん?
「…やから慣れるまでちょっと時間ちょーだい…」
言うてて自分で恥ずかしくなったんか、最後は手で顔を覆ってしまった。ちらりと見える耳まで赤い。
「なんやお前かわいいとこあるな笑」
「なおきくんが慣れるのめっちゃ早いねんて…そーいうわけで、今夜はパスタにします」
「wwwwはい、お願いします」
おわり!