とある国の、とある寂れた村の片隅の、小高い丘の上にそびえ立つ古い教会。
その教会には誠実そうな神父様と寡黙なシスター、それに付き従う小鳥の、二人と一匹が住んでいた。
これはそんなに珍しくもない教会に住む二人の、ちょっぴり変わった穏やかな日常の、ほんの一幕である。
◇ ◇ ◇
「ロディ!!シスターロディ!!どこですか!?」
太陽が登り始めて頭の上に差し掛かろうという時に、悲鳴のような神父の一声が、静かな教会に響き渡る。
週に一度の簡易的なミサが終わり、告解室の鍵を閉め、村の人たちが教会からいなくなったのを確認した神父出久は、忽然と姿を消したシスターのロディを大慌てで探していた。聖堂にはもちろんクリプト、食堂、自室を見ても彼の姿はない。一体どこへ……いや、またあそこか。
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