graduation開け放していた窓から、桜の花びらがひらり、と舞い込んできた。
真一郎は流し読みしていたバイク雑誌を傍らに置くと、床に舞い落ちた淡いピンク色のそれを指先で摘み、柔らかな日の光に透かして眺める。光に晒された所為か、幾分か赤みが薄れた花びらは場地の肌の色に良く似ていた。特に、うなじの色に。
場地は色が白い。
肌は肌理が細かく、手触りがひどく滑らかだ。おまけに腕や足にほとんど毛が生えていないせいか、パーツだけ見れば女子そのものである。
これだけ毛が薄いとなると、下も産毛みたいなふわふわの毛しか生えていないのではないか。むしろ不毛の大地なのではないか。そんな疑念と好奇心に駆られた真一郎は、思い切って場地に聞いてみようとした——が、はたと気付いた。
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