「君の結末は箱の中」.
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久しぶりに貴方の顔をみた。
朝も昼も夜も。私が大人になって歩き始めてからみえなくなってしまった貴方の顔。
ずっとみたくて仕方なかったのに、いつか、そのうち、生き続ければまたみれると思って歩み続けてきた。
進めばその内みつかると言われて、歩き続けた。
子供の頃はあれほどみれたのに。
疲れきって、歩みを止めたくなって、俯いて、どうしようもなく泣きたくなって、死にたくなって。
得たくもないものを得ながら、見たくないものを見ながら、居たくない場所に居ながら。
途方もなく疲れてしまったから、だから思い切って歩みを止めてみた。
今目の前に、貴方の顔がある。それをみて私はとても驚いた。
「やっと、自分がしたい事が見つけられた」
ようやく貴方の顔がみれた。
反射するその顔が、「本当にそれでいいの?」と聞いてくる。どうせだからと何時もより身を整え、外へ出る。〝歩み〟を止めたまま、私はまた歩き始めた。
それを叶える為に。
そしてあと一歩を踏み出すだけ。それだけで私はそれを成せる。
- 了 -
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エブリスタ「三行から参加できる」用に新しく書いたもの。お題は「久しぶり」。
※ポイピクの仕様上で、拡大するとなぜか題と本文が詰まって読みづらいので、出だしに点をうっています。特に本文とは関係が無いので気にしないでください。