初恋 最初は、あまり興味も引かれなかったし、どちらかと言えば良い印象はなかった気がする。
「では、問三の答えを……ジータ、前に出てきて黒板に」
「はい」
教師に当てられたジータは素直に従い、黒板に答えの英文を綴る。
「できました」
書き終わりチョークを置き、そのまま教師の方に目をやる。
(相変わらず、迫力のある美人さんだなぁ)
何度も目にしているのに、相変わらず同じ感想を抱く。
ジータの英語の教師であるルシフェルはとても美しい容姿をしている。男性であれば「かっこいい」という形容詞が一般的かもしれない。しかし、ルシフェルは「美しい」という形容詞がよく似合う。その美貌は芸術品のように重々しい雰囲気があり迫力さえあった。あまりにも容姿が整い過ぎて、それ以外の情報が後からついてくる。
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