耳かき (しがだざ) さいきん耳が痒いので、痒くなったらふわふわがついた耳かき棒でカリカリやるのが好きだったのだが、「それだと耳が傷つくぞ」と言われた。ので太宰治はムスッと拗ねている最中である。
「気持ちいいからやめませーん」
「傷ついて痒くなって無限ループになってんだろ」
耳がむず痒い俺の気持ちなんてどうでもいい空気読まない選手権トップクラス(優勝は堂々の川端)な恋人の志賀直哉。
「かさぶたになるぞ」
「俺の勝手でーす」
拗ねてベットでごろつく俺を、呆れて笑って見てる直哉。耳かきを奪われて隠され、代わりに綿棒を配置される。
「綿棒なんて空気みたいなもんじゃん~そんなんじゃ気持ちよくなれない~!」
拗ねて甘えて腿の上に乗ってだだを捏ねると、
「耳かきは気持ちよくなるための道具じゃねえだろ」
他で気持ちよくしてやるから、なんて指先で耳の入り口をくすぐられてて思わずえっちな声を出してしまう。
「そういうんじゃないの~!耳かきは自分でやれるから気持ちいいんでしょ!」
「ははっ、とにかく硬いのはダメ。綿棒で気持ちよくなれる身体にしてやるよ」
「なんだそのテンプレみたいなセリフは~!!」
悲しいかな、俺の可愛いフワフワ耳かきは暴徒によって奪われてしまったのであった…。
そんな訳で、お風呂に入ってから直哉の棒で気持ち良いことを身体に覚えさせられる予定である。
…なんかえっちな感じなのでしっかりおしりの準備もしてきたのである。
「よしよし、こっち来いよ」
長くて綺麗な脚の膝をぽんぽん。
「お前、耳かきなんかできるの~?」
「そういえばお前に求められたことはねえな」
「あっ!その言い方!いやだね~!匂わせ!浮気者!」
「誰にでも耳かきしてやる奴がよく言うな?」
「うひゃい!」
耳に残ってる水分を軽くタオルで拭かれて、ついでに首を撫でられる。お、怒ってんの?けどあれはなんていうか、無頼の日常っていうか、安吾の耳が恐ろしく汚くて不可抗力というか。確かに安吾以外にもしますけれども、酒の席で甘えられたら耳かきしちゃうっていうかぁ…。
「い、今は自重してますぅ…」
「そうかそうか、そりゃよかった。俺は生前以外なら、お前と付き合う前に武者と多喜二にちょっとだな。ただし武者は志賀はダメくすぐったいって即逃亡して有島の膝に落ち着いたし、多喜二は耳かきしてる仕草が怖くてやり方を教えただけだが」
「…オレモソンナカンジ(安吾に関しては嘘言ってない)あとは生前に子供の耳かきをねぇ、懐かしい~」
むにむに耳を撫でられたり揉まれたりして、なんか気持ちいい。耳のマッサージは自律神経にいい、確か森てんてーが言ってた!
「お前はそのまま良いパパでいりゃよかったのにな~」
「うるせ~誰のせいだと思ってんら~」
じゃれつきながら気持ちよくて眠気が…。
「いいか、こうして綿棒で少しずつ、浅いところからな…」
汚れがいっぱいついてたらどうしようって今更ながら恥ずかしくなってきちゃう。変な色ついたらどうしよう!
「あ、ほら」
「ぎゃー!ハラスメントですよ!」
「なにがだよ、ちょっとかさぶたになってんだろうが。しばらく耳かき禁止だぞ」
耳の痒み用の薬を持ってきて、優しく塗ってくれる。ローションみたいな感じで、奥が痒いのに奥にはちょっと触れただけでもう終わり。
「やだぁ、もっと奥がいいの」
「エロい強請り方すんな、落ち着いたらまた綿棒で撫でてやるから」
「やだぁ、うう」
「お前な、子供がねだったらガリガリして血出してやるか?」
「しない…」
しょんぼり諦めて両耳を差し出して終わりになる。直哉はそのままベットで抱きしめてあやして背中を撫でてくれたが、俺は「耳かきは我慢するけど」と言って胸にぐりぐり頬をすりつけた。
耳は薬のおかげか痒くなくて楽。
「…俺のコッチなら奥まで抉ってやれるぞ」
「ん~60点…」
「割と高得点だな」
耳の痒みを忘れたら別の奥が疼いてたまらなくなる。耳かきは優しいけど、コッチの棒はナカに限り優しくないほうがいいなぁ。
「直哉の棒は準備万端!ヤる気指数上昇中だ!」
「こら!」
耳かきっていいですね、あなたも耳かきで上の棒と下の棒、彼のギャップを楽しんでみてはどうでしょ~か!!(絶賛楽しみ中の太宰治からでした!)