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    これの後日談短文です
    https://poipiku.com/3518072/9433565.html

    これ単体でも読める……?かも?
    まだいとうさしかしていない二人ですが、私はリバが大好きなので、同軸で逆にもなる可能性があります。

    診断メーカーキスお題-前半その日、伊藤吉兆は宇佐美銭丸を呼び出した。
     珍しいことである。
    「ふふ。こんなお誘いで呼び出されてくれるのは私だけですよ」
     伊藤が宇佐美に送ったショートメールには、場所の指定と時間、そして「来い」とだけ記されていた。
     場所はホテル地下のバーである。落ち着いた酒場の薄暗さは、他の客を単なる背景にするのに一役買う。無論、他の客にとってもカウンターで酒を飲む伊藤も、そのあと遅れて来た宇佐美の事も、背景でしかないだろう。
    「高嶺の花を気取っているなら来なければ良い」
    「君が高嶺の花扱いしてるだけでしょう」
     伊藤は普段と変わらない無表情だったが、宇佐美には多少の不快――とはいえそれは、普段宇佐美と相対した時によく発する感情でもあるのだが――や居心地の悪さが見て取れた。宇佐美が伊藤のグラスにちらりと目を向ければ、一口だけ口が付けられた様子がある。
    「おや、伊藤君ともあろう者が、アルコールの力を借りなければ出来ないお話ですか?」
     宇佐美は彼が1杯で酔う様な下戸ではないと知っていたが、直前の無愛想なメールの文面もあいまって、その可愛らしさを存分に愛でたくなった。
     その揶揄しか含まない台詞に伊藤はあからさまに眉を顰める。
     その様子をクスクスと笑った宇佐美は、バーテンダーに1杯頼み、伊藤の右側の席に腰を掛けた。
     二人は数ラリーの間、他愛の無い事を話した。内容としては同僚である他主任の悪口が主であったが、互いに互いへの情報になりそうな事は言わなかったし、言っても互いがどうでも良いと判断した事ばかりだった。宇佐美としてもそのまま雑談に興じるのは悪く無かったのだが、こんなところに呼び出されては気も逸るというものだった。
    「君、もうちょっと上手く誘えないんですか」
     宇佐美は自らの前髪で見難い伊藤の顔を覗き込んで、しかし、高揚をお首にも出さずそう言った。伊藤も呼び付けた理由を読まれない訳が無いとは思っていたものの、あからさまに指摘された事が癪に障り、その覗き込んできた宇佐美の目を睨め付ける。
    「ねえ、どうなんです? まさかこんなところまで呼び付けておいて、そんなつもりは無かったなんて言わないでしょう」
     にやけ面で売り言葉を発した宇佐美の肩をおもむろに抱き、伊藤はその耳朶に唇を寄せた。伊藤の薄い唇が軽く触れる程のキス。そしてそのままの距離で伊藤は声を低くして宇佐美に告げる。
    「上に部屋が取ってある」
     そんな事、宇佐美には百も承知だった。しかし、至近距離で発せられた鼓膜を揺らす音は、どうしても髄に響く。
    「その仏頂面もどうにかできないんですか」
     宇佐美は楽しげに、伊藤が肩に回した手を振りほどき、今度は宇佐美から伊藤の耳朶に軽く口付けた。
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