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    えんどう

    @usleeepy

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    えんどう

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    ▽ぐだおの目に弱い王様

    ##1000-3000文字

    溟海の瞳▽王様がぐだおの瞳好きだったらいいよね〜〜〜てか絶対好きだよね〜〜〜〜〜という思い込みでできた話です
    ▽ぐだキャスギル






     隣で真剣な表情をして明るい画面を見る綺麗な横顔を眺めていた。綺麗、などという言葉に当て嵌めてしまうのも惜しいくらいの、完璧なうつくしい人。淡い黄金を撚って作った糸のような髪がさらさらと俯き加減の類に流れ、形の良い耳が無防備に露わになっている。その柔らかそうな耳朶からぶら下がる、魔術に使う紋様のような飾りが、ギルガメッシュの動きにあわせてキラキラと揺れていた。完璧な、完璧すぎるほどの、一分の隙も無駄もないうつくしさ。これを綺麗、としか表現できない自分を、立香は歯痒く思う。
    「――――ゆえに、この布陣では貴様が全体の動向を把握し戦況を判断することが………………おい、聞いているのかりつ」
     ギルガメッシュが言い終わる前に、立香は身を乗り出して、彼の耳元で揺れている耳飾りを唇で食む。呆気にとられたギルガメッシュが無抵抗なのをいいことに、くい、と引っ張ってから口を離し、飾りから連なる耳朶をべろりと舐め上げればギルガメッシュが息を呑んだ。空気を震わせたその音で立香は我に返り、身を離して顔を覗き込めばじと目で睨めつける顔があって苦笑う。ギルガメッシュは今し方舐められた耳を庇うように片手で隠し、立香から離れるように身を引いてわなわなと唇を震わせる。あ、と、立香の脳裏に僅かな後悔が過った瞬間。
    「貴様という奴は……我の話も聞かずに何を……」
     長い睫毛の縁取る真紅を大きく見開いて立香を捉え、よく通る声が怒気を孕んで投げつけられる。ああ、怒らせてしまった。
    「すみません、綺麗だったんで、つい」
    「つい、だと ついで赦されれば警察などいらぬわ! 讃美すれば赦されるとでも思ったか その程度、聞き飽きるほど聞いているわ」
     すみません、と立香はもう一度繰り返すが、耳を押さえたまま立ち上がり怒鳴るギルガメッシュが聞き入れる様子はない。けれど、その頰にはほんのり赤味が差していて、どれだけ怒鳴ろうと立香を睨もうと威厳も迫力も何もないのだが。その反応がなんだか嬉しくて笑顔を浮かべてしまいそうになるのを堪える方が骨だ。流石にここで笑っては、更に機嫌を損ねてしまう。立香はギルガメッシュを見上げ、なるべく顔を引き締めて口を開く。
    「でも、本当に綺麗だったんですよ、ギルガメッシュ王。本当に綺麗で……綺麗だったから……触りたくなっちゃって」
     毒気のない真摯な言葉と、真っ直ぐな深い蒼の瞳に見上げられたギルガメッシュは、散々怒鳴っていた唇を真一文字に結んで、ぐ、と喉の奥で唸って黙り込んだ。その、金髪から覗く形のいい耳の縁にも、仄かな熱を宿して。
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