切羽詰まった顔で盧笙から告白されて二週間が経つ。そのあまりの気迫に負けて、簓はその申し出を許諾した。相変わらず面白いこと考える奴や、いつまで続くやろか、と。
付き合い始めてから変化したことがいくつかある。例えば前よりも連絡の頻度が多くなった。メッセージのやり取りもだが、あきらかに増えたのは電話の回数だ。数分だけ、他愛のない会話を交わすのが日課になっている。他にも、「これ好きそうやと思って」と簓が好んで食べているお菓子や酒、つまみが用意されるようになったし、「ここ行ってみたい」と店や場所が送られてくるようになった。いま簓と盧笙がいる祭もその送られてきた中の一つで、近くの商店街でちょっとした祭りがあるから、時間が合いそうなら行こう、と盧笙に誘われたのだ。
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