目を覚ましたものの、起き上がる気になれなかった。
原稿を書く合間に少し休もうとソファで横になったのだ。1時間だけ寝るつもりが、気がついたらもう深夜が近い。
どうしたものかとカールは横になったまま考えた。後頭部に感じるふとももの感触。見上げればテレビを見ているうちに眠ってしまったらしい友人の姿。起き上がらない理由をもう一度探した。
また眠ってしまおうか。しかし友人をこのままソファで眠らせるより、寝室に運んだほうがいいだろう。
そうは思うものの、良い眺めなのであまり動く気にならない。
肘置きに頬杖をついて眠っている友人をぼけっと見ていた。