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    まみや

    @mamiyahinemosu

    好きなように書いた短めの話を載せてます。
    現在は主にDQ6(ハッ主)、たまにLAL。

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    まみや

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    DQ6、ハッ主のSS詰め合わせ。色んなふたり。

    #ハッ主
    masterOfTheHack
    ##6(ハッ主)

    ハッ主SS『酒』

    「オレ、お酒ってほとんど飲んだことないんだ」
     レックと、ラーの鏡を探して旅をするようになって少し経つ。たまたま酒の話をしたら、そう言ったレックに、それならオレが教えてやるか、と意気揚々と酒場にやって来たのが、少し前。
    「酒はさ、一度どれくらい飲めるのか試してみた方がいいぜ。自分の限界ってのをわかっとかねえと、いざ飲んだ時に度を越してぶっ倒れたら困るだろ」
     そんなもんなの? と首を傾げながら隣に座ったレックに酒を注いでやれば、レックは顔色を変えず、ニコニコして、案外いける、と言いながら酒を飲み続ける。
     こいつ、ひょっとしてザルなのか、オレより強えかも、と思っていると、レックは突然オレの腕に寄りかかった。ん、と思ってレックの顔を見ると、レックはオレの顔をうっとりとした表情で見つめ、オレの腕をぎゅうと抱きしめてくる。
    「ハッサン、カッコいい…好き…♡」
    「……………は!? なっ、何だ、突然!?」
    「オレ、初めて会った時から、ハッサンのこと気になってたんだ。一緒に兵士になれて嬉しい、ふたりで旅するのもすげえ楽しいし、ずっとこのまま一緒にいたいな…♡」
     そう言ってオレの腕に頬をすりすりと擦り付けてくるレックにオレは絶句した。思わず口をあんぐり開けてレックをよくよく見れば、うなじのあたりが真っ赤に染まっていて、…あっ、これ、顔に出てないだけで、もう、かなり酔って…!?
    「お、…っ、おい、レック、か、帰るぞ! 宿屋に!」
    「へ? 何で? ほら、ハッサンも飲めよ♡ オレ、ハッサンの飲みっぷりも好き♡」
     そう言って顔を近づけ、グラスをオレの口元に差し出してくるレックを見て、オレはだんだん自分の動悸が早くなってくるのを感じた。
     大体何だよ、さっきから好きだ好きだって、お前、そんなこと思ってたのか!?
    「あーもう、わかったわかった! でも今日はここまでだ!」
     オレはレックに差し出されたグラスに残っていた酒を飲み干すと席を立った。勘定を済ませて、まだ飲むと言い張るレックを小脇に抱え、酒場を出、宿屋までの道を急ぐ。
    「なんだよ! オレまだ飲めるってば!」
     そう言ってじたばたするレックにオレはため息をつく。失敗だ、平気そうだと思ったら全然じゃねえか! おまけに「オレのこと軽く抱えられるくらい力が強いのもカッコいい♡ 好き♡」とか、そんなことばっかり言ってきて、いちいち恥ずかしい。絡み酒タイプなのか? 困った奴だな…。
     でも何が困るかって、…レックにそう言われて意外と満更でもねえオレが、一番。


    『そんなつもりじゃなかった』

     たまたま、旅の道中、道端でキスしてるカップルを見かけたのが、今思えばよくなかった。
    「……ああいうのって、どうなんだろう」
     横目でちらちらとカップルを窺いつつレックが神妙な顔でそう言い、オレは思わず怪訝な顔で答える。
    「どうって何が」
    「気持ちいいのかな? オレ、やったことないしわかんないから気になって」
    「へえ、ないのか? レック、お前、モテそうなのに意外だな」
    「そんなことないよ、別に。ハッサンはしたことあるのか?」
    「へ? オレ? …ねえよ。まあ、そりゃ、気にならなくはねえけど」
     その、オレの答えを聞いたレックは、そうだよな、と頷いた。そこで話が終わるのかと思いきや、どっこい、その日の夜、レックは宿屋の一室でオレに向かってこう言った。
    「なあハッサン、一回やってみない? 昼間見たやつ」
    「はあ!? キスをか!? おっ、オレとお前が!?」
    「いいじゃん、減るもんでもないし。恋人できる予定もないし、でも気になるからちょっとやってみたいなって…どう?」
     そう言って、レックはいたずらっ子のような顔でオレに抱きついて、笑って唇を突き出し、瞼を閉じる。それを見てオレは苦笑した。
     バカか、こいつは。結構男前なんだから、その気になりゃ恋人くらいきっとできるだろうに、オレなんかとそんなことしようだなんて。…ま、オレとこいつがキスするなんて、冗談もいいとこだから、したとしてもノーカンだろ。オレもキスがどんなもんか、一応、気にはなるし。そう思って、おふざけのつもりでレックに軽く口付けたら。
     少しかさついた、思ったよりも柔らかいその唇の感触が、思いのほか気持ちよくて、オレは動揺した。おまけにオレに抱きつくレックの体温も妙に心地良い。まずい、と咄嗟に思い、オレは慌ててレックの体を手で引き離した。
     レックの頬はいつのまにか赤くなっていて、ぽかんとした顔でオレの顔を見ていたが、やがて、恥ずかしそうにぱっと顔を俯かせる。
     全然、そんなつもりじゃなかったのに。
     ……なんか、うっかり、かわいいと、思っちまって。
     レックを抱き寄せ、顎に手を伸ばす。もう茹蛸みたいに真っ赤になったレックが、弾かれたように顔を上げ、熱の篭った瞳でオレを見上げた。やがてレックは、オレの背中に手を回して、上着をぎゅっと掴んで、…オレはたまらず、レックの唇にまた自分のそれを重ねたのだった。


    『モテる恋人』

     レックはモテる。冠職人の娘。ライフコッドの村長の娘。レイドックのメイドの娘。
     今日もレイドックの城下町で複数の娘さんに声をかけられ熱い目線を送られた。
     レックは男前だし、明るくて優しいし、人もいいし、にこりと笑えば人好きのする雰囲気になる。おまけに旅を経て逞しさと精悍さが加わって、頼り甲斐もありそうだし、そりゃあそこらの男より絶対いいよな。しかしそう言っても当の本人は首を傾げる。
    「モテたって別に、全員の気持ちに応えられるわけでもないし」
    「もしお前が王様になったら、全員はべらすくらいはできるかもしれねえぞ」
    「夢の世界のレイドック王みたいにか? いや、あれはちょっと」
     正直引く、王妃様にはバレてるし、と眉根を寄せ難しい顔をするレックに思わず笑う。
    「ああ、でも、モテてよかったとこもあるな」
     何だよ、と訊けば、レックはオレに軽くキスをし、目を細めてオレを見た。
    「そういう声かけられたら、ハッサンが嫉妬した面白くなさそうなかわいい顔でオレを見てくるとこと、そういう日の夜はいつもよりちょっと激しくされるとこ」
     そう言って、レックは楽しそうにオレを見ながら、オレの勃ち上がっている下半身をズボンの上からぎゅっと握り込む。全部バレてんじゃねえか、と恥ずかしい気持ちが湧き上がってくるのに耐えつつ、オレはレックの体を勢いよくベッドに押し倒した。


    『悪い遊び』

     レックが真剣な顔で、オレの下半身にラミアスの剣をかざす。すると既に勃っていたオレものはさらに硬くなり、それを見たレックは耐えきれないといった風に吹き出した。
    「きっ、効いた! 効いたぞハッサン!?」
    「…………」
     ひとしきり笑った後、レックはラミアスの剣を鞘にしまうと、次にグラコスの槍を手に取った。またそれをかざしたが、今度は特に目立った変化はない。まあ、ラミアスの剣は攻撃力を上げるバイキルトの効果だが、グラコスの槍はスカラだから、守備力が上がっても見た目的によくわからないんだろう。
    「…………気は済んだかよ、レック」
     この効果が夜の戦闘でも有効かどうか、一回試してみたい、と下世話な好奇心を抑えきれない顔でオレに言ってきたレックの申し出を、よくそんなバカバカしいことを考えつくなと呆れながらも断らなかったのは、まあ興味がなくもなかったのと、それから。
    「いやあ、こんな使い方したのサリイにバレたら絶対怒られるだろうな……あとラミアスさんにも……いや、正直人名かどうかもわかんないけど、ラミアス」
    「グラコスも草葉の陰で泣いてるぜ、絶対。まあ、オレたちが倒したんだけどよ」
    「そうだな……でもま、効くってことで一件落着。よし、いてつくはど、っ…!?」
     転職して勇者になったレックが覚えた、全ての呪文の効果をなくす、いてつくはどう。それをオレにかけようとしたところを、オレはレックの口を手で塞いで咄嗟に止めた。レックが目を見開いてオレの顔を見てくるのに、オレはにっと笑う。
    「まあまあ、……折角だしこのまま試してみようぜ、グラコスの槍が本当に効いてるのかよくわかんねえしさ」
     オレがお前に甘いからって、なんでも言うこと聞くと思ったら大間違いだぜ。
     正直、バイキルトの効果はどっちでもいい。デカさとか硬さで今まで困った覚えはないしな。ただ、スカラの効果でもし、その、守備力というか、持久力というか、そういうのが上がるんなら、……いつもレックのヤバい締め付けにつられてうっかりイッちまうのに耐えられるかもしれねえし、そうなったら、レックをいつもよりもえげつなく啼かせられるかもしれない。
    「……!? ……!! ……!?」
     オレの手の下でレックの口が慌てたようにもごもごと動いている。たぶんこれは、待て、とか、やめろ、とか、考え直せ、とか、言ってるんだろうが。
     レックの顔と耳が真っ赤に染まり、その目もどこか期待を含んだ様子で潤んでいるのを確認してから、オレは口を塞いでいた手を離し、その唇に噛み付くようにキスをした。
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