まみや
DOODLEDQ6、ハッ主。ED後、モブ視点のふたりの話。ミレーユさんも出てくる。ニセ王子 知らない人がいた。
森の中の、キノコがよく生えている、ぼくのとっておきの場所に。
ぼくや、父ちゃんや母ちゃん以外の人が、こんなところにいるだなんて思いもしなかったから、ぼくはびっくりした。
しかも、その人は、オレンジ色の服のすそを袋みたいにして、その中にたくさん、山ほど色んなキノコを入れていたから、ぼくは思わず叫んだ。
「キノコどろぼう!!」
するとその人は振り返り、驚いたように目をまん丸にしてぼくの顔を見た。
「ここはぼくが見つけた場所なの!!」
さらにそう言えば、その人はしばらくぽかんとしていたけど、おかしそうに、あっはっは、と笑い、ぼくの方に近づいてくる。思わず身構えると、その人はにっこり笑って「ごめんね」と言った。
6464森の中の、キノコがよく生えている、ぼくのとっておきの場所に。
ぼくや、父ちゃんや母ちゃん以外の人が、こんなところにいるだなんて思いもしなかったから、ぼくはびっくりした。
しかも、その人は、オレンジ色の服のすそを袋みたいにして、その中にたくさん、山ほど色んなキノコを入れていたから、ぼくは思わず叫んだ。
「キノコどろぼう!!」
するとその人は振り返り、驚いたように目をまん丸にしてぼくの顔を見た。
「ここはぼくが見つけた場所なの!!」
さらにそう言えば、その人はしばらくぽかんとしていたけど、おかしそうに、あっはっは、と笑い、ぼくの方に近づいてくる。思わず身構えると、その人はにっこり笑って「ごめんね」と言った。
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主。ED後少し後〜数年後設定、モブ視点から見たふたりの話。音「おい、ハッサン! 馬鹿野郎、そっちじゃねえ、壊れてんのはあっちの屋根だ!」
「へっ!? あれっ、こっちの方向だと思ったんだけどな」
教会の屋根の上から、威勢のいいやりとりが聞こえてくる。
声の主を見たいと思ったけれど、屋根の上は外からじゃ高すぎて見えない。諦めて、私は教会の中に入り、ベンチに座ってお祈りするふりをしながら、上の方に耳を傾け続ける。
賑やかな声はしばらくするとやみ、やがて、カンカンと何かを打ち付けるリズムのいい音が聞こえてきた。
釘を打ってるのかしら? それとも…
私が考えながらその音を聞いていると、ギイ、と音がして、教会の扉が開いた。
なんとなくそちらを見てみれば、男の人がひとり、教会に入ろうとしてくるところだった。
2382「へっ!? あれっ、こっちの方向だと思ったんだけどな」
教会の屋根の上から、威勢のいいやりとりが聞こえてくる。
声の主を見たいと思ったけれど、屋根の上は外からじゃ高すぎて見えない。諦めて、私は教会の中に入り、ベンチに座ってお祈りするふりをしながら、上の方に耳を傾け続ける。
賑やかな声はしばらくするとやみ、やがて、カンカンと何かを打ち付けるリズムのいい音が聞こえてきた。
釘を打ってるのかしら? それとも…
私が考えながらその音を聞いていると、ギイ、と音がして、教会の扉が開いた。
なんとなくそちらを見てみれば、男の人がひとり、教会に入ろうとしてくるところだった。
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主。ED後の話。自分の部屋を作ったハの所に遊びに行く主の話。一人部屋 ハッサンが、いつになく嬉しそうな顔をしている。
「何かいいことでもあったの?」
そう聞くと、よくぞ聞いてくれた、とでも言わんばかりにハッサンは何度も頷く。
「へへ、実はよ、自分の部屋作ったんだ」
見にくるか、レック、と、これはもう、絶対見にきてほしいんだろうなと察しのつく満面の笑みで言われて、オレはおもわず笑ってしまった。
オレたちのデートはいつも、サンマリーノの桟橋で落ちあって、どこか別の場所に移動してからってのがお決まりだけど。
「うん、行く行く! でもそれなら手土産でも持ってこればよかったな。お邪魔するなんて思ってなかったから」
「ああ、そんなの気にすんなよ。長居するつもりはねえし、ちょっと見せてえだけだから」
2066「何かいいことでもあったの?」
そう聞くと、よくぞ聞いてくれた、とでも言わんばかりにハッサンは何度も頷く。
「へへ、実はよ、自分の部屋作ったんだ」
見にくるか、レック、と、これはもう、絶対見にきてほしいんだろうなと察しのつく満面の笑みで言われて、オレはおもわず笑ってしまった。
オレたちのデートはいつも、サンマリーノの桟橋で落ちあって、どこか別の場所に移動してからってのがお決まりだけど。
「うん、行く行く! でもそれなら手土産でも持ってこればよかったな。お邪魔するなんて思ってなかったから」
「ああ、そんなの気にすんなよ。長居するつもりはねえし、ちょっと見せてえだけだから」
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主。EDを迎えた後に主のことが好きだと気づいてしまったハの話。若干R18っぽい場面があるものの全く大したことないので年齢制限はつけませんが、お苦手な方はご注意ください。秘密 サンマリーノに遊びに来ると、レックはいつも桟橋に佇んで、海を眺めている。
そんなレックに駆け寄りながら、オレが「おーい、レック!」と声をかけると、レックはすぐにこちらを振り返る。そして、笑いながら、「よう、ハッサン!」とオレの名前を呼んでくる。
レックの笑顔を見たその瞬間、オレの脳裏に、昨日見た夢の光景が浮かんだ。
キスをした瞬間、恥ずかしそうに少し逸らされた赤い顔。いいか、と聞いたらこくりと頷いてくれたから、ベッドに押し倒した時に見下ろした、上気しながらも少し不安そうな顔。オレがどこかを触るたびに上がる、色っぽい喘ぎ声。
『あ、あ…っ! ハッ、サ……! ん…』
そこまで思い出してオレはぶんぶんとかぶりを振った。
8636そんなレックに駆け寄りながら、オレが「おーい、レック!」と声をかけると、レックはすぐにこちらを振り返る。そして、笑いながら、「よう、ハッサン!」とオレの名前を呼んでくる。
レックの笑顔を見たその瞬間、オレの脳裏に、昨日見た夢の光景が浮かんだ。
キスをした瞬間、恥ずかしそうに少し逸らされた赤い顔。いいか、と聞いたらこくりと頷いてくれたから、ベッドに押し倒した時に見下ろした、上気しながらも少し不安そうな顔。オレがどこかを触るたびに上がる、色っぽい喘ぎ声。
『あ、あ…っ! ハッ、サ……! ん…』
そこまで思い出してオレはぶんぶんとかぶりを振った。
まみや
DOODLEハッ主。淫魔に襲われそうになるハの話(未遂)(淫魔パロとかではない)(???)。淫魔 宿屋の部屋の扉を開けたら、先客がいた。
ベッドに座っていたそいつは、オレが部屋の扉を開けると驚いたようにこちらを振り向き、そして勢いよく立ち上がる。
「あ、やっと帰ってきた! 遅いぜ、ハッサン」
そいつはそう言うと、にっこりとこちらに笑いかけてきた。
青い髪の男だ。オレより歳は若そうに見える。屈託のない、人のよさそうな笑顔にうっかりつられて笑いそうになる、が。
いやちょっと待て、その、そもそも、この。
「だっ、誰だよ!? っていうか魔物だよな!?」
男の、頭から伸びた二本の角と、おそらくケツから生えている黒い悪魔のような尻尾が、目の前の男が人間ではないことを示している。
そもそも、目の前の魔物がもし人間だったとしても普通におかしい。オレは旅の武闘家だが、一人旅で連れはいないし、知り合いにもこんな奴はいない。
2926ベッドに座っていたそいつは、オレが部屋の扉を開けると驚いたようにこちらを振り向き、そして勢いよく立ち上がる。
「あ、やっと帰ってきた! 遅いぜ、ハッサン」
そいつはそう言うと、にっこりとこちらに笑いかけてきた。
青い髪の男だ。オレより歳は若そうに見える。屈託のない、人のよさそうな笑顔にうっかりつられて笑いそうになる、が。
いやちょっと待て、その、そもそも、この。
「だっ、誰だよ!? っていうか魔物だよな!?」
男の、頭から伸びた二本の角と、おそらくケツから生えている黒い悪魔のような尻尾が、目の前の男が人間ではないことを示している。
そもそも、目の前の魔物がもし人間だったとしても普通におかしい。オレは旅の武闘家だが、一人旅で連れはいないし、知り合いにもこんな奴はいない。
まみや
DOODLEハッ主、ED数年後設定。即位の前、遠距離恋愛をしているふたりのあれこれ。即位の前、サンマリーノにて 王族からの正式な手紙というのを初めて見た。
レイドックの兵士と文官らしき男がうちの家にわざわざやってきて、ハッサン殿へお渡しいたします、とオレに直接、うやうやしく差し出してきたその手紙の宛名には、ずいぶん立派な、いっそ大げさなほど仰々しい字で、確かにオレの名前が書かれている。
オレは物珍しさから、受け取ったその手紙を何度もひっくり返し、ためつすがめつ、まじまじと見てしまった。
差出人の名はレックだった。
レックから手紙をもらうのは初めてじゃない。旅の最中に恋人同士になって、そして、デスタムーアを倒して旅を終えてから今まで、なかなか思うようには会えない日々を過ごしながら、何度も手紙のやりとりをした。
4819レイドックの兵士と文官らしき男がうちの家にわざわざやってきて、ハッサン殿へお渡しいたします、とオレに直接、うやうやしく差し出してきたその手紙の宛名には、ずいぶん立派な、いっそ大げさなほど仰々しい字で、確かにオレの名前が書かれている。
オレは物珍しさから、受け取ったその手紙を何度もひっくり返し、ためつすがめつ、まじまじと見てしまった。
差出人の名はレックだった。
レックから手紙をもらうのは初めてじゃない。旅の最中に恋人同士になって、そして、デスタムーアを倒して旅を終えてから今まで、なかなか思うようには会えない日々を過ごしながら、何度も手紙のやりとりをした。
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主。ED後、デート中のふたり。寂しい レックが、ちら、と窓の外に目を向けた。
窓枠に切り取られた空は、夕焼け空の赤色に上から深い群青色をまぶしたような色をしている。
「レック、メシ食いに行くか? そろそろ」
そう言えば、レックはオレの胸元に顔を埋めたままかぶりを振る。レックの、いつもより少し汗で湿っているものの、相変わらず勢いのいい髪の先が肌に擦れてくすぐったかった。
「やだ、もうちょっと」
「……でも、時間、まずいんじゃねえのか」
オレがそう言うと、そうだよ、とレックは決まってぶすくれたような声を出す。こうなるとレックは案外強情だ。オレがため息をついて裸のレックを抱きしめると、レックは何も言わず、オレの体に腕を回してぎゅっと抱きついてきた。
2563窓枠に切り取られた空は、夕焼け空の赤色に上から深い群青色をまぶしたような色をしている。
「レック、メシ食いに行くか? そろそろ」
そう言えば、レックはオレの胸元に顔を埋めたままかぶりを振る。レックの、いつもより少し汗で湿っているものの、相変わらず勢いのいい髪の先が肌に擦れてくすぐったかった。
「やだ、もうちょっと」
「……でも、時間、まずいんじゃねえのか」
オレがそう言うと、そうだよ、とレックは決まってぶすくれたような声を出す。こうなるとレックは案外強情だ。オレがため息をついて裸のレックを抱きしめると、レックは何も言わず、オレの体に腕を回してぎゅっと抱きついてきた。
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主のSS詰め合わせ。色んなふたり。ハッ主SS『酒』
「オレ、お酒ってほとんど飲んだことないんだ」
レックと、ラーの鏡を探して旅をするようになって少し経つ。たまたま酒の話をしたら、そう言ったレックに、それならオレが教えてやるか、と意気揚々と酒場にやって来たのが、少し前。
「酒はさ、一度どれくらい飲めるのか試してみた方がいいぜ。自分の限界ってのをわかっとかねえと、いざ飲んだ時に度を越してぶっ倒れたら困るだろ」
そんなもんなの? と首を傾げながら隣に座ったレックに酒を注いでやれば、レックは顔色を変えず、ニコニコして、案外いける、と言いながら酒を飲み続ける。
こいつ、ひょっとしてザルなのか、オレより強えかも、と思っていると、レックは突然オレの腕に寄りかかった。ん、と思ってレックの顔を見ると、レックはオレの顔をうっとりとした表情で見つめ、オレの腕をぎゅうと抱きしめてくる。
3744「オレ、お酒ってほとんど飲んだことないんだ」
レックと、ラーの鏡を探して旅をするようになって少し経つ。たまたま酒の話をしたら、そう言ったレックに、それならオレが教えてやるか、と意気揚々と酒場にやって来たのが、少し前。
「酒はさ、一度どれくらい飲めるのか試してみた方がいいぜ。自分の限界ってのをわかっとかねえと、いざ飲んだ時に度を越してぶっ倒れたら困るだろ」
そんなもんなの? と首を傾げながら隣に座ったレックに酒を注いでやれば、レックは顔色を変えず、ニコニコして、案外いける、と言いながら酒を飲み続ける。
こいつ、ひょっとしてザルなのか、オレより強えかも、と思っていると、レックは突然オレの腕に寄りかかった。ん、と思ってレックの顔を見ると、レックはオレの顔をうっとりとした表情で見つめ、オレの腕をぎゅうと抱きしめてくる。
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主(未満)。無自覚で好き合ってる感じのふたり。ぱふぱふ レックがぱふぱふを覚えたらしい。
ダーマ神殿で転職し、レックが遊び人になってしばらく経つ。他の職よりも速くマスターできるスーパースターになって、そして早く勇者になるのだ、というレックを止める仲間は誰もおらず、オレも、頑張れ、と声をかけたが、しかしたまに戦闘中に見せる奇行というかおふざけというかを見せられると、若干どころかかなり心配になるのも事実だ。
遊び人から別の職に転職したら、ちゃんと元に戻るんだろうな? さすがにこのままってことは……ないよな?
そんな心配をしながら過ごしていたある日、レックが「ハッサン、オレ、ぱふぱふのスキルを覚えたぞ!」と笑顔でこちらに報告してきた。
ぱふぱふ。
を、レックが…?
1936ダーマ神殿で転職し、レックが遊び人になってしばらく経つ。他の職よりも速くマスターできるスーパースターになって、そして早く勇者になるのだ、というレックを止める仲間は誰もおらず、オレも、頑張れ、と声をかけたが、しかしたまに戦闘中に見せる奇行というかおふざけというかを見せられると、若干どころかかなり心配になるのも事実だ。
遊び人から別の職に転職したら、ちゃんと元に戻るんだろうな? さすがにこのままってことは……ないよな?
そんな心配をしながら過ごしていたある日、レックが「ハッサン、オレ、ぱふぱふのスキルを覚えたぞ!」と笑顔でこちらに報告してきた。
ぱふぱふ。
を、レックが…?
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主。前の話の続き。サンマリーノに到着してすったもんだ。本 3「透明なのに、宿代取られるの納得いかない」
レックが財布の中身と宿屋の主人を交互に見ながら恨めしそうに呟くのに、おもわず笑う。
地面に開いた大穴から真っ逆さまに下に落ちてやってきた、レックいわく、幻の大地。ダーマ神殿とやらの跡地から少し離れたところにある、サンマリーノという港町についたオレたちは、とにもかくにもまず宿屋に向かった。
透明になったはずなのに、なぜか魔物には俺たちの存在がバレる。上の世界にいた時から戦い通しで、オレもレックもそろそろ体力が尽きそうだった。
「前に幻の大地に来た時さ、ここじゃない町で宿屋に入ったんだけど、なんと!タダで泊まれたんだ」
きっとここでもタダで泊まれるはず、と、いたずらっ子のような顔でうきうきと楽しそうに宿屋に向かったレックはしかし、宿屋の主人に話しかけると普通に金を取られてしまったようで、がっくりと肩を落とした。
3939レックが財布の中身と宿屋の主人を交互に見ながら恨めしそうに呟くのに、おもわず笑う。
地面に開いた大穴から真っ逆さまに下に落ちてやってきた、レックいわく、幻の大地。ダーマ神殿とやらの跡地から少し離れたところにある、サンマリーノという港町についたオレたちは、とにもかくにもまず宿屋に向かった。
透明になったはずなのに、なぜか魔物には俺たちの存在がバレる。上の世界にいた時から戦い通しで、オレもレックもそろそろ体力が尽きそうだった。
「前に幻の大地に来た時さ、ここじゃない町で宿屋に入ったんだけど、なんと!タダで泊まれたんだ」
きっとここでもタダで泊まれるはず、と、いたずらっ子のような顔でうきうきと楽しそうに宿屋に向かったレックはしかし、宿屋の主人に話しかけると普通に金を取られてしまったようで、がっくりと肩を落とした。
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主。前の話の続き。本を探すハッサン。本 2 ない。
いつも背中に背負っている袋を探ってみるが、見当たらない。さらに念入りに、袋の中身を全部ひっくり返してみても、一向に、影も形もない。
ひょっとして、部屋のどこかに落としたか、とベッドの下やら、廊下やらをきょろきょろと探してみても、どこにもない。
参ったな、とひとりごち、オレはベッドにどすんと腰を下ろした。
袋に入れていた、オレの虎の子の、…有り体に言ってしまうと、エロ本。それが忽然と姿を消してしまった。
どこでなくした?
昨日の夜には確かにあったはずだ。ただ今朝以降は、……いや、昼過ぎに、袋から薬草を取り出した時に、袋の中でその存在を視界の端で確認した覚えがある。その後は、一度休憩した時に、袋を無造作に馬車の中に置いたような……?
2501いつも背中に背負っている袋を探ってみるが、見当たらない。さらに念入りに、袋の中身を全部ひっくり返してみても、一向に、影も形もない。
ひょっとして、部屋のどこかに落としたか、とベッドの下やら、廊下やらをきょろきょろと探してみても、どこにもない。
参ったな、とひとりごち、オレはベッドにどすんと腰を下ろした。
袋に入れていた、オレの虎の子の、…有り体に言ってしまうと、エロ本。それが忽然と姿を消してしまった。
どこでなくした?
昨日の夜には確かにあったはずだ。ただ今朝以降は、……いや、昼過ぎに、袋から薬草を取り出した時に、袋の中でその存在を視界の端で確認した覚えがある。その後は、一度休憩した時に、袋を無造作に馬車の中に置いたような……?
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主。ラーの鏡探索中、まだ付き合ってない(けどそのうち進展する)ふたり。本 どさ、と何かが床に落ちる音がした。
驚いて振り返ってみると、ハッサンがいつも背に担いでいる、オレンジ色の袋が床に落ちている。
あの袋、宿屋にチェックインして、ちょうどさっきハッサンが風呂へ行く前に、椅子に向かって適当に放り投げていた。ちゃんと乗り切っていなくて落ちたとか、きっとそんなところだろう。
拾っといてやるか、と思い、落ちている袋を手に取ったら、中から何かがぽろりと落ちた。
とりあえず袋を椅子の上に置いて、落ちたものを拾って、見てみると。
「……本、か?」
掌に収まりそうな、小さめの本だった。
一緒にレイドックの兵士になって、おまけに旅をするようになって少し経つが、ハッサンが本を読んでいる姿というのを、オレは見たことがない。手持ち無沙汰な時は、体を鍛えるために稽古をしたり、オレと話をしたり、意外と器用に木や草で何かを作ってみたり、そういうことをしている印象が強い。地図を見たりするのもそんなに得意じゃなさそうだから、そういうのももっぱらオレの役目だし。
1880驚いて振り返ってみると、ハッサンがいつも背に担いでいる、オレンジ色の袋が床に落ちている。
あの袋、宿屋にチェックインして、ちょうどさっきハッサンが風呂へ行く前に、椅子に向かって適当に放り投げていた。ちゃんと乗り切っていなくて落ちたとか、きっとそんなところだろう。
拾っといてやるか、と思い、落ちている袋を手に取ったら、中から何かがぽろりと落ちた。
とりあえず袋を椅子の上に置いて、落ちたものを拾って、見てみると。
「……本、か?」
掌に収まりそうな、小さめの本だった。
一緒にレイドックの兵士になって、おまけに旅をするようになって少し経つが、ハッサンが本を読んでいる姿というのを、オレは見たことがない。手持ち無沙汰な時は、体を鍛えるために稽古をしたり、オレと話をしたり、意外と器用に木や草で何かを作ってみたり、そういうことをしている印象が強い。地図を見たりするのもそんなに得意じゃなさそうだから、そういうのももっぱらオレの役目だし。
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主。こんなこともあるかもしれないな〜という可能性を考えてみた。真夜中の逢瀬 そいつはいつも、真夜中にやってくる。
大概、オレと、仲間であり恋人でもあるレックが、ベッドの上で盛り上がりすぎた時。張り切ってしまったオレが、レックを抱き潰した末に、レックが気絶して眠ってしまって、オレがその後始末を終えたくらいのころ。
今日も、レックの身を清めて、寝間着に着替えさせて、使ってないベッドに寝かせて。そして、完全に寝入っているレックに、おやすみ、と声をかけて、自分のベッドに行こうと踵を返した、その時だった。
そいつが、やってきたのは。
「……ハッサン?」
寝ていたはずのレックに声をかけられて、オレは振り向く。レックはなんだか不思議そうな顔で、ぱちぱちと瞬きをしながら、オレの顔を眺めてくる。
2140大概、オレと、仲間であり恋人でもあるレックが、ベッドの上で盛り上がりすぎた時。張り切ってしまったオレが、レックを抱き潰した末に、レックが気絶して眠ってしまって、オレがその後始末を終えたくらいのころ。
今日も、レックの身を清めて、寝間着に着替えさせて、使ってないベッドに寝かせて。そして、完全に寝入っているレックに、おやすみ、と声をかけて、自分のベッドに行こうと踵を返した、その時だった。
そいつが、やってきたのは。
「……ハッサン?」
寝ていたはずのレックに声をかけられて、オレは振り向く。レックはなんだか不思議そうな顔で、ぱちぱちと瞬きをしながら、オレの顔を眺めてくる。
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主。ED後、結婚して新婚になったふたり。ハッサンの仕事を手伝っている(ようないないような)主の話。家を建てる レイドックの国には、ひとりの有名な大工が住んでいる。
名をハッサンという。
サンマリーノの出身で、父親も大工。かつて、レイドックの王子であった勇者と共に旅をし、世界を救った後、家を継いで自身も大工となった。
そしてレイドックに新しい王が即位し、レイドックの城の建て替え工事を任されるにあたり、レイドックの城下町に自らの店を構えた。
父親も評判の大工だったが、見事に建て替えられたレイドック城を見て、父親を超えるほどの腕前だと評判となった上、なんとつい先日、レイドックの王と結婚し、王配となったため、興味本位の客まで増え、注文は引きも切らず、大工仕事の依頼は予約だけで数年待ち。
おまけに、店にはたまに、彼の伴侶であるレック王がたまに顔を出すらしいという噂が広まり、店が開いていると、冷やかしや野次馬の客がしょっちゅう出入りするようになってしまった。
4931名をハッサンという。
サンマリーノの出身で、父親も大工。かつて、レイドックの王子であった勇者と共に旅をし、世界を救った後、家を継いで自身も大工となった。
そしてレイドックに新しい王が即位し、レイドックの城の建て替え工事を任されるにあたり、レイドックの城下町に自らの店を構えた。
父親も評判の大工だったが、見事に建て替えられたレイドック城を見て、父親を超えるほどの腕前だと評判となった上、なんとつい先日、レイドックの王と結婚し、王配となったため、興味本位の客まで増え、注文は引きも切らず、大工仕事の依頼は予約だけで数年待ち。
おまけに、店にはたまに、彼の伴侶であるレック王がたまに顔を出すらしいという噂が広まり、店が開いていると、冷やかしや野次馬の客がしょっちゅう出入りするようになってしまった。
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主。一つ前の話の続き。ふたりが恋人になる話。あんまり甘い感じではない。今回は宿屋でサンドイッチ食べてる。期間限定 オレが目を覚ました時、ハッサンはオレより先に目を覚ましていたらしく、呆然とした顔でオレを見下ろしていた。
ハッサンのものはまだオレの中にある。昨日気絶するように寝た時よりは少し大きくなっているような気がしたけど、厳密に比べたわけでもないので、気のせいかもしれない。
とりあえず、起きたので、おはよう、と声をかけると、おはよう、とハッサンも返事をしてくる。そしてハッサンは引き続き呆然とした顔のまま、恐る恐る、という風に口を開いた。
「……………レック、あの、これは、どういう」
どういう、と言われても、説明がしづらい。
酔ってぜんぶ夢だと勘違いしたハッサンが、オレの尻にちんこを挿れてきた、とでも言えばいいのか。
8453ハッサンのものはまだオレの中にある。昨日気絶するように寝た時よりは少し大きくなっているような気がしたけど、厳密に比べたわけでもないので、気のせいかもしれない。
とりあえず、起きたので、おはよう、と声をかけると、おはよう、とハッサンも返事をしてくる。そしてハッサンは引き続き呆然とした顔のまま、恐る恐る、という風に口を開いた。
「……………レック、あの、これは、どういう」
どういう、と言われても、説明がしづらい。
酔ってぜんぶ夢だと勘違いしたハッサンが、オレの尻にちんこを挿れてきた、とでも言えばいいのか。
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主っぽくなってきた。初めての2人旅、だいぶ打ち解けて仲良くなってきたころ。これ、あげる「なあハッサン、あれ見て」
ボクの指差す方向を見て、ハッサンは少し顔をしかめた。
視線の先には、男女。カフェのオープンテラス席で、仲が良さそうに笑い合いながらケーキを食べている。
「レック、人を指差すんじゃありません」
「違う、人はどうでもいい…って言ったら語弊があるけど。ほら、見て、今」
女性の方が、男性に、自分のケーキをフォークに掬って、食べさせてやっていた。
よほどおいしいのか、男性はニコニコしながらケーキを頬張っていて、それを見た女性も嬉しそうだ。ふたりは今度は逆の動きをして、女性の方が嬉しそうに男性のケーキをもらっている。
「……見てるだけで胸焼けしそうっていうか、じろじろ見てたら失礼だぜ、こういうのは。向こうに気づかれても気まずいし…ほら、早く行こうぜ、レック」
3194ボクの指差す方向を見て、ハッサンは少し顔をしかめた。
視線の先には、男女。カフェのオープンテラス席で、仲が良さそうに笑い合いながらケーキを食べている。
「レック、人を指差すんじゃありません」
「違う、人はどうでもいい…って言ったら語弊があるけど。ほら、見て、今」
女性の方が、男性に、自分のケーキをフォークに掬って、食べさせてやっていた。
よほどおいしいのか、男性はニコニコしながらケーキを頬張っていて、それを見た女性も嬉しそうだ。ふたりは今度は逆の動きをして、女性の方が嬉しそうに男性のケーキをもらっている。
「……見てるだけで胸焼けしそうっていうか、じろじろ見てたら失礼だぜ、こういうのは。向こうに気づかれても気まずいし…ほら、早く行こうぜ、レック」
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主…にまだなりきれてない。初めての旅、ちょっと経ったころ、飯屋に入る。友達「おっ、パエリアがあるぜ、この店」
海の近くにある街の飯屋のメニューを見て、ハッサンが嬉しそうな顔をする。
「ぱえり、あ…?」
「やったぜ、アクアパッツァもある! よし、頼もう」
そう言うが早いか、ハッサンは店員さんを呼びつけて、パエリアと、アクアパッツァと、あと、貝の壺焼きとやらを頼んでしまった。
「あ……あくあ、ぱっつぉ…?」
「ツォじゃねえ、ツァだ。魚とか貝とかが色々入ってる、煮込み料理だよ。この街もそうだけど、オレの故郷のサンマリーノは海の近くだから、小さい頃からよく食べてたんだ。美味いぜ」
「へえ…」
なんか呪文みたいな名前だな、と呟くと、ハッサンは、そうかもな、と笑った。
「そういやお前、貝の食べ方、わかるのか? 前、骨つき鷄が出てきた時、戸惑ってたろ」
3498海の近くにある街の飯屋のメニューを見て、ハッサンが嬉しそうな顔をする。
「ぱえり、あ…?」
「やったぜ、アクアパッツァもある! よし、頼もう」
そう言うが早いか、ハッサンは店員さんを呼びつけて、パエリアと、アクアパッツァと、あと、貝の壺焼きとやらを頼んでしまった。
「あ……あくあ、ぱっつぉ…?」
「ツォじゃねえ、ツァだ。魚とか貝とかが色々入ってる、煮込み料理だよ。この街もそうだけど、オレの故郷のサンマリーノは海の近くだから、小さい頃からよく食べてたんだ。美味いぜ」
「へえ…」
なんか呪文みたいな名前だな、と呟くと、ハッサンは、そうかもな、と笑った。
「そういやお前、貝の食べ方、わかるのか? 前、骨つき鷄が出てきた時、戸惑ってたろ」
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主。ED後少し経ってから。サンマリーノのハッサンの実家にて。バカ息子 ハッサンは嘘をつく時、目線をさまよわせる。
……とは、かみさんの言だ。
オレにはハッサンのそんな細かい癖はよくわからない。ついこの前までずっと家を出ていたし、いまだにまともに会話するのが仕事の時くらいしかないからだ。
仕事の時に、ハッサンに嘘をつかれたことはない。オレが怒ると、文句を言い返されたり、悔しそうな顔をしたりしてくることはあっても、誤魔化してきたことは一度もない。
基本的に、真面目なんだろう。短気な所はあるが、それも、家を出る前よりかなりマシになった。前なら反射的に言い返してきただろう場面でも、ぐっと我慢して一度神妙な顔で考えてから口を開くようになった。それに、早く一人前になりてえから、と言って、ずいぶん熱心に大工仕事に取り組むようになった。
3045……とは、かみさんの言だ。
オレにはハッサンのそんな細かい癖はよくわからない。ついこの前までずっと家を出ていたし、いまだにまともに会話するのが仕事の時くらいしかないからだ。
仕事の時に、ハッサンに嘘をつかれたことはない。オレが怒ると、文句を言い返されたり、悔しそうな顔をしたりしてくることはあっても、誤魔化してきたことは一度もない。
基本的に、真面目なんだろう。短気な所はあるが、それも、家を出る前よりかなりマシになった。前なら反射的に言い返してきただろう場面でも、ぐっと我慢して一度神妙な顔で考えてから口を開くようになった。それに、早く一人前になりてえから、と言って、ずいぶん熱心に大工仕事に取り組むようになった。
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主。EDの少し後、遠距離恋愛してるふたりの話。きらきらひかる 港の桟橋のあたりに人だかりができていた。
作業場に籠ってずっと細かい作業をやっていたら肩が凝ってしまい、気分転換でもするかと散歩をしていたら、その光景に出くわした。
こんな所で珍しい、何事かと興味本位で近づいてみれば、集まっているのは男より女の方が多そうだ。後ろの方からひょいと覗いてみれば、そこには。
「綺麗ね、この指輪」
「奥さん、お目が高い! そりゃあ有名な細工師の品でね。そいつが辺鄙な山奥の村に住んでる変わり者だから、なかなか手に入らなくって」
どうやら貴金属やアクセサリーを売っている露店のようだった。露店の主人は得意げにお客に話を披露している。
「大魔王がいなくなって平和になったからな。世界中に買い付けに行けて、こういう珍しい品も手に入る。いやあ、いい世の中になったもんだ」
2828作業場に籠ってずっと細かい作業をやっていたら肩が凝ってしまい、気分転換でもするかと散歩をしていたら、その光景に出くわした。
こんな所で珍しい、何事かと興味本位で近づいてみれば、集まっているのは男より女の方が多そうだ。後ろの方からひょいと覗いてみれば、そこには。
「綺麗ね、この指輪」
「奥さん、お目が高い! そりゃあ有名な細工師の品でね。そいつが辺鄙な山奥の村に住んでる変わり者だから、なかなか手に入らなくって」
どうやら貴金属やアクセサリーを売っている露店のようだった。露店の主人は得意げにお客に話を披露している。
「大魔王がいなくなって平和になったからな。世界中に買い付けに行けて、こういう珍しい品も手に入る。いやあ、いい世の中になったもんだ」
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主というほどでもない。主とハッサン、旅に出て初めて飯屋でごはんを食べる。テーブルマナー「はいよ、沢山食べてね、お兄さんたち。ごめんねえ、今日ちょっと混んでて、メインはもうちょっと時間がかかるから、先にこれ食べといておくれ。特別に大盛りにしといたから」
と、早口で言い、にこやかに笑って、飯屋のおかみさんが机の上に皿を置く。
ハッサンはおかみさんに、そりゃどうも、と言って、そして目の前の皿を見て嬉しそうに、「お、美味そうだな。ここの店、当たりだぜ」とこちらに笑いかけた。
確か、これは、骨つき鶏の唐揚げ、…だったと思う。飯屋に入って、ハッサンに「レック、お前、何食いたい?」と聞かれていざメニューを見ても、今まで城で食べていたものと違いすぎて想像がつかなかったので、結局全部注文をハッサンにおまかせしてしまった。
1451と、早口で言い、にこやかに笑って、飯屋のおかみさんが机の上に皿を置く。
ハッサンはおかみさんに、そりゃどうも、と言って、そして目の前の皿を見て嬉しそうに、「お、美味そうだな。ここの店、当たりだぜ」とこちらに笑いかけた。
確か、これは、骨つき鶏の唐揚げ、…だったと思う。飯屋に入って、ハッサンに「レック、お前、何食いたい?」と聞かれていざメニューを見ても、今まで城で食べていたものと違いすぎて想像がつかなかったので、結局全部注文をハッサンにおまかせしてしまった。
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主。ED後数年後、レイドックの国王夫妻と、ハッ主の話。家族の風景「父上、母上。どうしても外せない用事があるので、王の仕事を、この日だけ代わってもらえないでしょうか」
レックが私たちにそう言ってきたのは、少し前のこと。
その日が、今日。レックは朝から急いだ様子で伴もつけずにどこかへ出かけていき、私と夫は随分久しぶりに玉座に座った。
夫は久しぶりの公務に張り切って、玉座に座って王に面会を求める人々の話を聞き、側の大臣に指示を出す。私も久しぶりに玉座に座って、微笑みながら人々の話を聞いて、たまに口を挟んだりして。そして王の間から人々の波が引いて、誰もいなくなった、その時。
レック王のお帰りです、と、妙に慌てた様子で兵士が報告にやってきた。あら、もう帰ってきたのかしら、お昼にもなっていないのに。思ってたより早いわね、と夫と話していると、レックが王の間に姿を現した。
3520レックが私たちにそう言ってきたのは、少し前のこと。
その日が、今日。レックは朝から急いだ様子で伴もつけずにどこかへ出かけていき、私と夫は随分久しぶりに玉座に座った。
夫は久しぶりの公務に張り切って、玉座に座って王に面会を求める人々の話を聞き、側の大臣に指示を出す。私も久しぶりに玉座に座って、微笑みながら人々の話を聞いて、たまに口を挟んだりして。そして王の間から人々の波が引いて、誰もいなくなった、その時。
レック王のお帰りです、と、妙に慌てた様子で兵士が報告にやってきた。あら、もう帰ってきたのかしら、お昼にもなっていないのに。思ってたより早いわね、と夫と話していると、レックが王の間に姿を現した。
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主前提、ED後少ししてから。レイドックのモブ兵士が見たレックの話。ハッサンは直接は出てこない。恋文『久しぶり、元気にしてるか?
仕事はどう? 変な奴に絡まれたりしてない? お前、可愛いから心配だよ。気をつけてな。
俺はレイドックの兵士生活、だいぶ慣れてきたよ。最初は緊張したけど、先輩たちは皆いい人だし、城の人たちや、王さまや王妃さまも、いつも優しく接してくださって、毎日楽しくやってるよ。
そうだ、王子さまの話はもうしたっけ? たまにお話しするって言ったっけな? 最近、訓練所でちょくちょく稽古をつけてもらうんだけど、本当に強くて、フランコ兵士長でも敵わないくらいなんだ。さすが、世界を救った勇者さまだ。俺もいつか王子さまくらい強くなりたいな。
近いうちに休みがもらえそうだから、そうなったら定期船に乗ってそちらに行くよ。早く会いた』
3876仕事はどう? 変な奴に絡まれたりしてない? お前、可愛いから心配だよ。気をつけてな。
俺はレイドックの兵士生活、だいぶ慣れてきたよ。最初は緊張したけど、先輩たちは皆いい人だし、城の人たちや、王さまや王妃さまも、いつも優しく接してくださって、毎日楽しくやってるよ。
そうだ、王子さまの話はもうしたっけ? たまにお話しするって言ったっけな? 最近、訓練所でちょくちょく稽古をつけてもらうんだけど、本当に強くて、フランコ兵士長でも敵わないくらいなんだ。さすが、世界を救った勇者さまだ。俺もいつか王子さまくらい強くなりたいな。
近いうちに休みがもらえそうだから、そうなったら定期船に乗ってそちらに行くよ。早く会いた』
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主前提でED後の話。ハッサンは出てこないけど、ライフコッドでレックとターニアがハッサンについて喋る話。おにいちゃん レックにいちゃんは、いつも、お土産を手にいっぱい抱えてやってくる。
「ただいま、ターニア、元気?」
と言って、にこにこ笑い、私がいれたお茶を飲みながら、私のお話を聞いてくれたり、逆にレックにいちゃんが不思議なお話をしてくれたりする。
真実を映す鏡。空飛ぶベッド。操縦できるひょうたんみたいな島。鏡の中のお姫様。悪い魔術師。世界中のメダルを集める王様。遠い海の中に住む人魚。魔物にお尻を噛まれて、魔物になってしまった人。竜の像があるふしぎな洞くつ。世界の果てみたいな小さな島で開かれるドレッサーコンテスト。空の上に浮かぶお城。
レックにいちゃんのお話は、まるで絵本に出てくるおとぎ話のような、夢みたいなお話ばかり。本当のことだよ、ずっとそんな所を旅してきたんだ、と言うけれど、信じられない。いつも聞くたびに、本当かしらって思っちゃう。
2809「ただいま、ターニア、元気?」
と言って、にこにこ笑い、私がいれたお茶を飲みながら、私のお話を聞いてくれたり、逆にレックにいちゃんが不思議なお話をしてくれたりする。
真実を映す鏡。空飛ぶベッド。操縦できるひょうたんみたいな島。鏡の中のお姫様。悪い魔術師。世界中のメダルを集める王様。遠い海の中に住む人魚。魔物にお尻を噛まれて、魔物になってしまった人。竜の像があるふしぎな洞くつ。世界の果てみたいな小さな島で開かれるドレッサーコンテスト。空の上に浮かぶお城。
レックにいちゃんのお話は、まるで絵本に出てくるおとぎ話のような、夢みたいなお話ばかり。本当のことだよ、ずっとそんな所を旅してきたんだ、と言うけれど、信じられない。いつも聞くたびに、本当かしらって思っちゃう。
まみや
DOODLEDQ6、ハッ主。ED数年後くらい、恋人同士なふたり。また明日 オレに目通りを願いたい、と並んでいた人の列がようやくなくなった。朝から何人の話を聞いたんだか、もうさっぱり覚えていない。
今日のあとの予定は、と側の大臣に聞くと、少し後に会談および、晩餐で会食の予定だと言う。
「最近急に羽振りの良くなった富豪がおりまして、ぜひ王様と話したいことがある、と言うのです。どんな用件かはわかりませんが、気分良くお帰りいただくのが肝要かと」
と言われ、そのいかにも面倒そうな雰囲気にオレは顔を顰めた。どうせうちの商品を取引しないかとか、うちの娘を妃にしないかとか、そういうのだろう。あ〜、憂鬱すぎ!
…もう、抜けるなら今しかない。
あいつに会いたい。今、きっと、2階の通路のあたりで作業をしているはずだ。
2279今日のあとの予定は、と側の大臣に聞くと、少し後に会談および、晩餐で会食の予定だと言う。
「最近急に羽振りの良くなった富豪がおりまして、ぜひ王様と話したいことがある、と言うのです。どんな用件かはわかりませんが、気分良くお帰りいただくのが肝要かと」
と言われ、そのいかにも面倒そうな雰囲気にオレは顔を顰めた。どうせうちの商品を取引しないかとか、うちの娘を妃にしないかとか、そういうのだろう。あ〜、憂鬱すぎ!
…もう、抜けるなら今しかない。
あいつに会いたい。今、きっと、2階の通路のあたりで作業をしているはずだ。