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    転生の毛玉

    あらゆる幻覚

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    転生の毛玉

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    【創作】ヌビアの子
    ランダムに組み合わせて遊んだ

    ##創作

    ランダムdo-1〜ラサとエルベ〜

    研究所内ラウンジ。木漏れ日が大きめの窓から降り注ぐ中、二人のヌビアの子がのんびりとソファに座っていた。
    「なぁ、ラサ」
    そう声を上げたのは【ヌビアの子/記憶】のエルベだった。
    「なぁに?」
    ラサは、柔らかに微笑んでこてんと首を傾げる。
    「次、ノルさん来るの、いつ?」
    「えっ、ママ?」
    んー、とラサは考え込む素振りを見せる。顎の先に人差し指を当てて、宙を眺め見た。
    「ママって、突然遊びに来るのよ。わたしが何も言わなくても…………だから、いつ来るかは分からないなぁ」
    ごめんねぇ、とラサは肩を竦めた。エルベは、申し訳なさそうなラサに向かって、ひらひら手のひらを振る。
    「構わねぇよ。…ってか、だったら、言い方変える。ノルさん来たら、俺に知らせてくれるか?」
    「ママが来たら、エルベくんに教えるの?うん、もちろんいいよ」
    ラサが頷いたことに、エルベは満足げな顔を見せる。口角を上げて、ニィと笑った。
    「サンキュな。そうそう、ところでさ、ラサ。ラサ的には、年下の父親って、アリ?」
    「えっ?んー、それもいいかもしれないなぁ」
    「だよなーっ、アリだよなー!」
    エルベは心底楽しそうに足をばたつかせた。ラサはほんのりとしたクエスチョンマークを頭の上に浮かべながら、それでもにこにこ微笑み続けていた。ラウンジには、しばらくやけにハイテンションなエルベの笑い声だけが響いていた。

    ラサは、エルベが彼女の実母に本気で恋い焦がれていることを、まったく知らない。


    〜ハンザとラリベラ〜

    「………我ながら情けない。実家であれほど武道を叩き込まれてきたというのに」
    「ンー、なんか…ごめんね?」
    地面に蹲るハンザ。
    それを見下ろすラリベラ。
    ヌビア学研究所内広場、夕方の日差しの中、背の高い男2人だけがそこにいた。

    事の起こりは1時間前。
    ラリベラに対して、ハンザが手合わせを願ったのだ。
    スタイルもルールも無用、ただ相手に『参った』と言わせれば勝ち。
    そんな泥臭い試合をラリベラが受けて、現在の圧倒的軍配に至る。

    なお、この『圧倒的軍配』は、初めてラリベラとハンザが同時に実験室に入れられたときから数えて、実に15回目となっている。

    「………ラリベラの、その体躯からどうしてあれほどの力が発揮されるのか、不思議でならない」
    ハンザは埃を払いながら立ち上がった。ラリベラは軽く笑う。
    「研究員さんたちも同じこと言ってるよ。見た目だけなら、ハンザやナスカの方が強そうだ、って」
    「だが────現実はこの有り様だ」
    ハンザは苦々しく呟いた。
    生まれ育った家で、誰より強くあれ、逞しくあれ、敗北等有ってはならないと叩き込まれ続け、完遂し続けてきたハンザである。背丈こそあるとは言え、腕も脚もひょろりとした印象を与えるラリベラに敗北するというのは、ひどく屈辱的なことなのであった。────それがたとえ、【ヌビアの子/パワー】でも。
    ハンザは、軍人めいた衣服の襟を正しながらに言う。
    「自慢のような話だが、地元の大会などでは、優勝を続けていた」
    「へーっ!すごいじゃん」
    「だが、所詮は井の中の蛙だったということだ」
    「胃の中の革靴…?」
    「……井の中の蛙。世間知らず、身の程知らずといった意味だ」
    「へえ」
    ラリベラは何度も頷いた。それから、困ったように笑う。
    「でもさあ、オレからしたら、運動だけじゃなくて頭も良いハンザの方がかっこいいけどね。何ていうんだっけ、全部平等?」
    「……文武両道、だろうな」
    「あーそ、それそれ」
    ラリベラは、にこにこ笑ったまま手のひらを打った。
    それは称賛であり、単なる相槌でもあった。
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