New Year's Eve with a minefield 大晦日のカウントダウンから年を越した明け方までをナッシュの家で騒ぎ過ごすのは、いつからかJabberwockの恒例行事のようになっていた。とはいえ年越しに熱狂するタイプの男はどこにもいないので、単純に理由をつけて飲みたいだけの集まりだ。
それも今年からはなくなるだろうか、とシルバーは何となく思っていた。何しろ我らがリーダーは恋人と同棲を始めたのだから、いかな荒くれ者揃いと言っても遠慮をするというものだ。
今回はナッシュ以外で集まるか、と相談していたのだが、予想外にも当の本人から十二月三十一日に強制召集がかけられた。……まではよかった。
「ナッシュおまえよぉ……」
「何だ」
無言で酒をあおるナッシュに恐る恐る声をかけたシルバーに対し、ナッシュの返事は冷たいうえに鋭かった。
2978