ブレワイリンク✕転生バル何度かリンクの腹を蹴ったらリーバルはようやく満足したらしい。小さな嘴をツンと上へ向け、ぷいと顔を逸らしてしまった。
「ごめんって、許して、な?」
リンクが顔を覗き込むとリーバルはその碧水晶のような眼をちらりと開き「フン」と言った。
いかにもリト族の雛らしい甲高い愛らしい声だ。
「そこの屋台のビードロ」
「え?」
「ママにねだったら、今日はもうおもちゃ買ってあげたからだめ!って言われたの」
「おもちゃ?」
「この狐のお面!だから、君がかってよ、ビードロ、それでゆるしてあげるから」
「ああいいよ、ビードロぐらいいくらでも」
「ウン」
リーバルはニコッと笑った。吊り目の彼が笑うと目尻が釣り上がるのに――キツさが増すどころか更に愛らしくなる――その笑いが、百年前の彼そっくりで、リンクはもう少しで声を上げて、泣くところ、だった。
817