これからも俺の世話をヨロシク「まじで着替えた方がいいって」
余計に酷くなるから、と汗で湿ったシャツを脱がせようと一番上のボタンに手をかけた。
「……いや、大丈夫だ自分で、」
全く力の入っていない大河の右手が俺の手首を掴んだけど、俺は無視してボタンを外していく。大河はそれでも拒もうと手首を掴んだまま離そうとしなかった。もうこれ何回目だよってくらい攻防戦が続いている。ふらふらと今にも倒れそうなんだから一人で着替えられるわけないのに、プライドが邪魔をしているのか。いつもは看病する側だから、か。
湯気が出そうなくらいに熱い顔、うっすらと涙が滲んで見える瞳。いつもビシッと姿勢良く立ち振る舞う人が高熱を出すと、こんなにもギャップがあるんだ。そんなこと言ってる場合じゃないんだけど。
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