「えっえっなになにダゴン先生」
なにがしかの会話で記憶喪失だともらしたサモナーの体に、海魔の触手が全身が絡みつく。
触手が制服のシャツやインナーをまくりあげ、若い柔肌を這う。
「ふふ、お前がなにも覚えていないとあらば、講師として教えてやらねばと思ってな」
「んん、な、にを……わ、くすぐったい〜」
講師室のソファにサモナーを押し倒し、制服を脱がしていく。
「なに、全て任せてくれればよい。このダゴ――がッ⁉」
ダゴンは急に頭を抱え伏した。触手が力なくほどけ、ぼとぼとと床をうつ。
「ゆ、夢の、離、断か……うぐ、ぐああっっ」
「えっえっ先生ほんとに大丈夫ですか⁉」
ダゴンはしばし床にうずくまり、荒い呼吸を整える。脂汗が滴り落ち、ダゴンはなんとか懇願の言葉を紡ぐ。
「い、いあ、いあ……クー・リトル、リトル……すみません、もうしません……」
「自分がなにをしたっていうの⁉」
傍からは大人の講師が高校生に向かって土下座しているようにしか見えない。
本気で具合が悪そうだからと、サモナーはダゴンの背をさすってやった。
「お水持ってきましょうか? 救急車呼びます?」
「い、や、もう大丈夫だ……少々、怒らせて、しまったようだ」
「おこらせ?」
「いあいあ……はい、なにもしません……」
「だから、自分がなにをしたっていうの⁉」