May I invite you to "May" breakfast屋上に繋がる鉄のハッチを開けると、眩い光とともにまだひんやりした空気が流れ込んでくる。
立ち並ぶバラックの屋根に朝日が反射して輝き、
ところどころ朝餉を用意する煙が立ち上り街が活気付き始める。
遠くに見える山の稜線はもやで霞んでいるが、
金色から乳色に穏やかな諧調をなす空を見て今日も天気がよくなりそうだ、と安堵する。
梯子を降りると、まだ布団に包まって丸まっている恋人の頬を撫でた。
「おはよう、眠そうな人」
眠そうな目を気怠げに開く。
彼はいつもすぐ起きるほうだが、身体を重ねた翌日は疲れが残るのかなかなか起きない。
枕に顔を埋もれさせながら眠気にゆるゆると抗う様子は、それはそれで愛おしい。
「プレストン、おはよ…」
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