7/23に発行した本の話▼新刊ご飯本のこと
・月島は一人暮らし長いしやり始めると凝り性なところがあるから普段やらないだけで一通り料理はできる、鯉登も器用だからそれなりにできる という幻覚が第一にあってそこから展開していった
・一人暮らしの月島、絶対にダイニングテーブルとか置いてない〜〜〜!!!!とは思ったがダイニングで二人で食事する図が頭にあったのでそのまま通した
・ので、月島は新卒からずっと駅から遠くて狭くて家賃の安さだけがメリットみたいな部屋に惰性で住んでいたが何度目かの更新のタイミングで「いい歳だしもう少しマシなところに引っ越してもいいかもな…」と思い立ち一人暮らしにしては広めの便利な部屋に引っ越し、その機に部屋に合わせて形として一通り新しい家具(ソファやテーブル)も揃えてみたがこだわりはないのでそこまで使ってないし物自体も少なめ という裏設定がある
・大まかな間取りも実は決めている
・便宜上ご飯本と呼んでいるがご飯がメインというよりご飯をきっかけに距離を縮めてく月鯉がメインなのでもしご飯を楽しみにしてる人がいたら申し訳ねェ…!と入稿後は鬱々としていた ご飯、好きな人はとことん好きなテーマだと思うので
・売り子氏が「ご飯に着目したらそれはもはやグルメ漫画だから みんなが読みたいのは推しがご飯食べて過ごしてる姿だから大丈夫」と言ってくれて勇気を貰った
・料理は描けないので一番最初の料理以外は全部自分で作って撮って手描きでトレスしてる
・最初に出てくる料理はなんとなくいい感じに見えればOKだったのでそこだけは素材
・素材には一番画面映えした酢豚を使ったが年下上司のために平日退勤後に酢豚用意する34歳サラリーマン、張り切りすぎでは?!?
・トレンチコート着た鯉登がスーパーで振り返るシーンがわりと初期から頭にあって絶対描きたかったがために秋の設定
・一番気に入ってる月島はエピソード4で(寂しそうな顔してるのか…)って自覚する月島で一番気に入ってる鯉登はエピソード5で好きなように食べろって言ってるとこの鯉登
・料理する鯉登にエプロン付けさせたかったが月島の家にはエプロンないやろと思い断念
・最後の方で二人がすれ違うエピソードとか、それを経て月島が自分の気持ちに気づいて鯉登に執着したり手放すのが怖くなっていたことを告白するシーンとか、味付けの好みの違いの会話とか、これからもこうして一緒に食事をしたいし過ごしたいと告げる月島に「朝食が(米じゃなく)クロックマダムでも?」と茶化すように言う鯉登とか、一緒に過ごすうちに二人の好みや作るものの味付けが擦り合わさってく話だとか、うっすら頭に浮かんでいたシーンはいくつかあったんだけどそれまでのエピソードとバランスが取れなくなりそうなのと一つ一つ言葉にさせたりするのは野暮な気がして全部切りました
・でも最初の方で何かと家に押しかけてくる鯉登とそれに対する月島の「鯉登さんて暇なんですか?」「(は?という顔で)暇じゃないが?」っていう軽いシーンとかできれば入れたかったな〜!他のエピソードと繋がらなくて省いてしまった
・表紙はマーメイド紙 なんとなくあたたかみが出て好きな紙で、自分の塗り(アニメ塗りと厚塗りの中間のような…)に比較的合いそうな気もしていたので使ってみたかった
・なんでもない日常が不意にキラキラして見えたりちょっとずつ特別なものになる様子をイメージして遊び紙は星のプリントトレペにしたり表紙に淡い透明な箔(OPTパール箔)を使ってみたりした
・本文用紙の厚みを何故か70kgにしていて(小説本で使うような薄めの紙)見本誌手に取ったときビックリした 裏抜けしまくってて読みづらくてごめんなさい
・起承転結に沿ってストーリーを考えるというのが苦手で(ストーリーに合わせて無理やりキャラを動かすことになったりエピソードを捻り出すことになってつまらないし萌えないので)、描きたいのは承承承承承!いっぱい浮かんだ!いい感じに並べ替えて承承承転結できた!適当に起も付けとけ!という感じの漫画の作り方をしている
・そのため今回は流石に一本の漫画として通して読むには話のぶつ切り感が強かったので苦し紛れにエピソード毎に区切りの数字を入れてみた
・1〜5のエピソード毎に曜日名を含んだサブタイトルみたいなのを付けて(「○○と水曜日」「金曜日の△△」みたいな)、最後のエピソードには本のタイトルから持ってきて「今夜もいただきますをきみと」って付けたかったんだけど全然サブタイのセンスがなくてなんかダサ…かったので諦めました
・本文のペンはじわペン、吹き出しは墨っぽいフキダシペン使用 アナログっぽいタッチに命をかけてるので本当はコマ割りにももっと墨溜まりとか作りたい
・作業中は何故か大塚愛のベストアルバムをずっとリピートして聴いていた 普段はYUKI、ブリグリ、ゴのOPEDとかをループして聴いていることが多い
・印刷所は細い線が得意で加工も豊富なあかつき印刷さんにお願いしてます 毎度フェアと被るのでお米を貰っているが自宅に炊飯器がないため売り子氏に食べてもらっている
・金沢印刷さんも綺麗なイメージがあるので気になっている 今まではジャンル柄特定の印刷所でしか刷れなかったのでゴでは色々選択肢があるのが楽しい
・どこかあたたかくて余韻の残るような漫画を目指して描いています 雰囲気漫画ともいいます 背景に使えるいい感じの雰囲気トーンは無限に知りたい
・次回はもう少しイチャイチャ要素のある本を出します(目標)
▼無配本のこと
・〆切直前に予定が詰まっていたため飛行機の中で一部描いてた
・幼児化がメインではなく幼児化を経ての(元の)二人のやりとりが自分の中のメインだったのでご飯本と同じく幼児自体を期待していた方がいたら申し訳ない でもかわいいと言っていただけて嬉しかったです
・本当は3歳くらいのイメージで描きたかったけど幼児描けないので無理でした これは3歳ではないな…
・幼児化して服だけだぼだぼ〜になってるのが描きたかったがそれだと外に出るとき着られる服なくない?と気付き諦めて服ごと縮小させた でもどうしても描きたかったので月のパーカー勝手に着てだぼだぼになってる鯉登をねじ込みました
・絶対に背景は描かんの精神
・当初は本文8ページくらいのつもりが倍に増えてた
・鯉登の中身はそのままなわけだけど月島には中身も幼児だと勘違いしてもらわないといけなかったので、ミスリード…とまではいかなくても読み手側にもその辺どっちなのか曖昧に見えてるといいなと思って描いたのだがどうだろう
・そのためページ数を割いて長めの本として出すと矛盾が出そうだったので、細かい部分はツッコまず勢いのまま読めそうな無配やwebで出さなくてはと思っていた
・チューしてる月鯉が描きたくて最後のページでさせようかと思ったけど、それまでずっと鯉登が幼児だったため明らかな恋愛要素やいやらしさは可能な限り排除したい!!クリーンな印象を保ちたい!!という強い思いがありデコチューにさせた
・いやらしさはなく、でも大切…みたいなのが伝わっているといいな…
以上 ありがとうございました!