呪縛俺は母親に捨てられ、商品として育てられてきた。齢4の小さな子供、言葉の意味など分からないと思ったのだろう。母は言った「もういらないのよ、後は可愛くなくなるだけだから」俺は聞いてしまった、いつものような声で鼻で笑いながら話す母の声を。母は俺を愛していなかった。
そんなこととはつゆ知らず、俺は何日も檻の中で母親の帰りを待った、ただ「おかえりなさい」を言いたくて、「会いたかったよ」を言いたくて。しかし母が姿を表すことは無く、3ヶ月目にして捨てられたと言うことが分かり、それから1ヶ月泣いて過ごした。檻に入れられて4ヶ月目でようやく立ち直れる兆しが見えた。それからは頭を空っぽにして生きた。悲しみたく無いから、もう辛くなるのは嫌だから、そうやって見たいものだけ見て、現実逃避をしながら生きてきた。
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