そう、変わらない。仄かに青みがかった真っ白な世界。
その中で小柄で猫っ毛の彼がふわふわと揺蕩う。
「あろま…?」
声を掛けると、揺蕩う彼がこちらを振り返り、柔らかく微笑む。
普段ならなかなか見れないような、暖かい笑み。
見蕩れていると、彼は少しずつ離れていく。
「あ、あろま…!!」
───手を伸ばした先には、見慣れた天井だけだった。
「あれ、寝てたのか…?」
いつの間にか寝ていたようだ。寝起きの頭を回転させる。
確か、新曲のデモを作っていて、休憩にコーヒーを飲んでいたらソファーで寝落ちていた。
すっかり温くなってしまったコーヒーを口にし、作業に戻ろうとする。
[ピコン♪]
「ん?あろまからだ、珍しい…」
【いま暇?】
友人であり、グループのメンバーであり、FBが密かに想いを寄せるあろまからの連絡。
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