いつもの原っぱに来ている、さっきの悟天は嬉しそうだった。
俺と別れる時もそんなに素敵でかわいい笑顔なのだろうか。
「きょうね、みらいしてい?っていうのかな、の、にいちゃんに、おわかれした〜。」
悟天はどこかに手を振りながら未来の俺と別れてきたって言っていた。
ん〜その後、誰だったのって聞いてみたけど悟天は「しらないよ」って答える。
別世界の俺がいたのだろうか?悟天にしか見えない魔物のような存在だとか•••
みらいしてい?って未来はそのままで、「してい」は•••
「俺か〜、その世界はきっと悟天がいない世界なんだろう。そうしたら、哀しいな。」
今は、たくさん増えてきているスライムたちと遊んでいる悟天を見ながら、ため息をつく。
「また、増えた。」
ぷにっと優しい触手が頬に当たる。
「ごめん、ホイミスライム。今日は、やる気がなくて•••」
ぷにぷにしてくる。
「悟天は、俺のところをどう思っているのだろうか?未来から来た兄的な存在かな••••遊び相手、一緒にいる存在、ああ、どれもわからない。」
そもそも、みらいなんとかって、なんなんだ!
モヤモヤにホイミスライムと少し身体を動かした。
いつもの触手で
でも、避けるのに鈍さも出る。
「にいちゃんに、とつげきーーーー」
不意にスライムたちの一斉攻撃に右手が瞬時に弾く、転がるスライムたち。
「ほ、ホイミスライム。回復〜早く。」
「スライムくんたち、だいじょうぶ?」
柔らかい光が、スライムに降り注ぐと1ぴきづつ起き上がり悟天のまわりで飛び跳ねた。
「そのスライム、強くなったね。」
「うん、いっぱいあそんでるもんね〜」
飛び跳ねて喜んでいる。
「うん、そうだよね」
「何だって?」
「なやんでるの?ぼく、しんぱい」
「そんなことないよ、そう思ったから?スライムの突撃?」
「うん。」
腰を下ろすと、悟天が座ってくる。
いつも膝の上で、悟天の太陽の匂いがする。
「大丈夫、大人は考えることがいっぱいあるんだよ、さっきは。」
悩みなんだけど
「さっきのは、どうやってホイミスライムと修行というか遊ぶかの方法を考えていたんだよ。」
「そうなんだ〜、よかった。」
「そうなんだよ。」
安心したのか体重を預けてうとうとしている。
子供なんだから、気にしなくてもいいんだよ。
今は、俺の方が安心している。
「すう〜す〜」
「寝ちゃったか。スライムとホイミスライム、あの木陰まで行こうか。」
抱っこし直しても起きないからいっぱい遊んだようで、いつも水筒やカバンを置く木陰で2人と魔物数匹で休んでいる。
未来で師弟ってトランクスのことか••••
ここでの小さいトランクスは女の子(マイ)が好きだって、ここの俺から聞いていたから大丈夫だと、この前会った大きい別の未来からトランクスの方はどうなんだろうか?
「悩みが増える••••」
「おにいちゃん?なやんでるの?」
「ん?考えごとだよ。」
未来は複数存在する世界だから、
今が良ければいい
「悟天、大好き。ってあ、うん。ね、」
誤魔化しきれない。
「ぼくも、ぼくも、にいちゃん。だいすき。」
「ありがとう、悟天。」
悟天に、言わせてしまったな。
向こう側向いている悟天はもぞもぞしながら、近くのスライムを慌てて抱っこしていた。
俺も急に恥ずかしくなって、空を見あげている。
悟天がいない未来なんて考えられない
だから
守って
そばにいて
俺は今、幸せだ。