過去からか、俺のしてきたことも無駄にはならなかったってことだ。
トランクスをしっかりと育てて過去に送って父さん助かったんだ。
トランクスが、森の中で発見した少年、大人っぽいが子供なのか、眠っている表情に見覚えのある顔。
何処で見たのかわからないが、ひどく熱を出し助かるか分からないほどで、二日目に数口食事のスープを飲むと元気に体力を取り戻していったようだ。
トランクスも同じくらいの男の子が来て嬉しそうで、今日は、食事をしたとか身体を少しずつ動かしたとかの報告が多い。
「悟飯さん、あの人一時的に記憶喪失だと思います。熱とかで。」
「話をしたのか?よかったな、トランクス。同じくらいじゃないのか?」
「そうだと思うんですが、オレの気配や多分悟飯さんの気配を、察することできると思うので、武闘家?かもしれません。」
今まで世界中を探したけど、そんな事が出来るなんて今では俺たちだけだと思っていたけど。
「頼もしいじゃないのか?少し、試してみようか。」
彼が何者なのか確かめてみてもいいかもしれない、
しばらく様子を見ていて数日後、その機会が訪れる。
外の見回り中は気配を殺し続ける、ちょうど彼が外に出た気配を感じ追いかけることにした。
空に飛ぶってことは修行はしてきている、
その他はどうなのだろうか
振り向いて言う言葉
「ま、まって。俺、敵意はないんだ。」
一般人が死なない程度での気弾を撃つ
上空に弾かれた、
これは強い味方になってくれると思う。
「両手挙げます、攻撃とかしないですから。」
さっきから聞いている声、懐かしいようにも感じる。
この気配と声と顔立、髪型は違うけど父さん思い出したな。
戦闘の仕方も手慣れている、俺はまだまだだ。
サイヤ人のことも、タイムマシーンのことも。
過去から来たんだとはっきりさせる。
「悟天か••••」
今日のことを思い出しながら苦笑いで呟いていた。
あの人造人間を連れ帰ってくるなんて、一歩間違えたら過去も変えてしまうんじゃないのか?
部屋を出て、寝ているであろう部屋に向かう。
「悟飯さん?」
待っていたかのように、悟天はいる。
ランプであまり見えないはずなのに、その自然な笑顔を最近見ることはなかったから心が和むようだ。
「起きていたのか?」
「俺が、行こうと思っていたんで、まさか来てくれるなんてワクワクして。」
「ワクワクか。」
古びた椅子に座る。
「悟飯さんに伝えることは、アウトだと思うから言えないこともあるけど、俺、本当に尊敬しててうちの兄ちゃんよりカッコいいって、現物見て思った。」
「それはありがとう。お兄さんがいるんだ?」
「あ、うん。質問していい?」
兄の話はしたくないのか、
「何だろう?」
「ここでも、トランクスの事が大事でしょ、悟飯さんにとってトランクスは生命を散らしても守りたい?」
その言い方だとこれから起こる未来で、俺はトランクスを守って死ぬのか。
「それで、この未来が変わるのであれば。みんなの為にもトランクスに希望をっている。」
「そうだよね、そうしないと俺、生まれてこないかもしれないし。ごめん、変なこと聞いて悟飯さん。」
「悟天、どういう意味?生まれてこないって。」
「え、あ~、何のこと?ははは。」
「そうか、父さんの病気が治ったあとに平和になったから生まれたって意味だね。俺も察しが悪い、さて、俺からも質問させてほしい。」
さっきから手をもぞもぞと動かして動揺しているようにも見える。
質問が来るとわかっていたようだ。
「誰に修行を?」
「兄ちゃんに•••」
「サイヤ人の話も?」
「そ、それは。」
「ここでもってことだけど、トランクスを知っているってことだね。」
視線が下がり手をもぞもぞ
「なら、孫悟飯を知っている。」
びくっと身体を震わせたようにもみえる、
気の乱れも激しい、俺と何があってこの子はタイムマシーンで未来にやってきたんだ?
この時の俺は、男の子に手を出すなんて、平和な世界だな。
「俺に会いに来たってのは本当で、どうしたかったんだ?」
「俺だけをみてほしかったんだ、みんなみんな俺をみてくれないから、俺だけをって。ここでも、トランクスがいるんだから無理に決まってる。」
過去の俺に出来ないこと、俺もここで悟天にしてやれるのだろうか。
「悟天、俺でよければそばにいるよ。ただ、トランクスに修行も人造人間とも戦わないといけない。それでもいいか?」
「その言葉だけで、グスン、嬉しい•••。」
側で泣いてる悟天を抱きしめる。
トランクスと違うこの気配は、
知っている身近な存在
父さんに関係しているなら、
悟天は、もしかすると俺に関係のある人物なのだろう。
「悟天、してほしいことがあったら、言ってほしい。多少だけど力になると思う。」
「抱きたい•••」
「え?」
「俺のことそう思ってくれるなら、一度だけ抱かせてほしい。そうしたら、もう何も言わない。トランクスの修行にも付き合う。」
「わかった。男同士はいろいろ大変だから、準備をさせてほしい。し、別の所に行こう。」
ここではできない、互いの声が響くはずだ。
どこかで、潤滑油をもらってこよう。
トランクスがそういうことをしたい、と言うかと思っていたが、そうなる前に俺も慣れておいたほうがいいのかもしれない。
戦場ではそういうことも必要だと書いてある本もあったから••••