7月9日ひさしぶりに逢えたオルコットは、いつもは身ひとつで現れるのに、今日は見慣れない包みを提げていた。
「土産だ。ナジが持ってけって」
地球産のじゃがいもだ、と押し付けるように俺へ紙袋を渡す。
ずしりと重い袋は、受け取るとごろりと手の上で揺れた。開けるとふわりと土の匂いがする。地球の匂い、あのとき、埋葬、嗅いだ、
「どうした?変な顔して」
顔を上げるとオルコットと目があう。あのときと、おなじ、瞳、
「俺達が農作業してたら可笑しいか?復興計画地区の食料自給率を上げるためだ。四六時中ゲリラ活動してるわけじゃないんだ俺たちは」
俺たち。オルコットの仲間。あの、輸送船で会った、ナジと呼ばれていた。オルコットと地球で別れるとき、それとなく聞いた、これからどうするのか、合流する、
1308