「次のレイシフトはさ、ちょっと長いから一緒に行こう」
長いレイシフトになるとオベロンは決まってこうしてヴォーティガーンを誘った。
連れて行ってもらえるのならそれを断る理由はない。ひとりで過ごすカルデアは退屈だから。
食料も必要ない。レイシフトに行こうと言っても身ひとつで支度は終わる。
マスターに続いてコフィンに乗り込んだ。
君たちは2人だからね、ひとつのコフィンだよ。とはじめてレイシフトした時に言われた。
オベロンと狭いコフィンの中で密着するのはまだ少し恥ずかしい。
オベロンは細い身体を目一杯抱きしめてくる。彼の暖かさといい匂いに縋るように俺もまた強く身体を抱きしめた。
オベロンとレイシフトしたからと言って、一緒に出撃できるわけではない。大抵は野営地で留守番だ。
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