白い神様その日は何もかもが最悪だった。
雨予報の天気は突然大雪になった。仕事では客先の都合で残業。そんなこんなで、仕事場を出たら一目は雪景色。大都市の交通網はシャットダウンし、人も歩いていない。耳がツーンとするほどの静寂が襲ってくる。
季節柄薄着ではないが、雪対策などしていない。悴む手でスマホを操作して、電車の運行状況を調べると、どこも全線運休やら大遅延。
あぁ、と思わず天を仰ぐ。
神様、どうか私を助けて下さい!
しかし、いつまでも上を向いていても仕方ない。足を止めていても家に着くわけではないのだ。私はベソをかきながらも、コードレスイヤホンで音楽を掛けながら駅に向かった。
先程までが嘘のように駅には人がごった返している。
4239