rikaryouka
PAST前に書いて、プライベッターにあげてたやつーポイピクに統一しようかなーと
夜の魔法「哥哥?」
「あ、三郎」
花城は道観の屋根に乗って星空を見上げる謝憐に声を掛ける。
「どこに行ったかと思いました」
「すまない。心配させた?」
「いいえ。哥哥の気配はしていましたから」
「そうか」
謝憐は花城を見て微笑むと、また夜空に視線を戻す。
「今日は星が綺麗なんだ」
「へぇ・・・僕もそこへ行ってもいい?」
「もちろん」
頷くと、花城は軽く飛び上がり、謝憐の横に着地する。
座っている白い裾を踏まない様にしながら、腰を下ろすと片膝を立てて星空を見上げる横顔を見つめた。
「・・・三郎。星は見ないのか?」
視線を感じ、謝憐は苦笑いをする。
「見てるよ」
「君が見てるのは私の顔だ」
「仕方ないよ。星よりもずっと美しい」
臆面無く言い放たれて、星よりも美しいと称賛された横顔がくしゃりと歪んだ。
630「あ、三郎」
花城は道観の屋根に乗って星空を見上げる謝憐に声を掛ける。
「どこに行ったかと思いました」
「すまない。心配させた?」
「いいえ。哥哥の気配はしていましたから」
「そうか」
謝憐は花城を見て微笑むと、また夜空に視線を戻す。
「今日は星が綺麗なんだ」
「へぇ・・・僕もそこへ行ってもいい?」
「もちろん」
頷くと、花城は軽く飛び上がり、謝憐の横に着地する。
座っている白い裾を踏まない様にしながら、腰を下ろすと片膝を立てて星空を見上げる横顔を見つめた。
「・・・三郎。星は見ないのか?」
視線を感じ、謝憐は苦笑いをする。
「見てるよ」
「君が見てるのは私の顔だ」
「仕方ないよ。星よりもずっと美しい」
臆面無く言い放たれて、星よりも美しいと称賛された横顔がくしゃりと歪んだ。
ju5jo
DONE花怜SSハチミツの日(8/2)記念
Twitterに投稿したものに少し書き足してます。
原作完結後のネタバレ表現があります。
蜂蜜の日「すっかり遅くなってしまったな」
その日の菩齊村は、ここ一年で最も暑いと言っても良いくらい、気温が高い日だった。
謝憐は、”生い茂って手がつけられなくなった雑草をなんとかして欲しい”という願いを叶えるために、高齢夫婦の家を訪ね、一日がかりの作業を終えて菩齊観へと戻るところだった。
細かく散った草木や土埃が汗で張り付き、髪も肌もざらざらとして、少し払うだけでも煙のように細かい砂が舞った。
「……これは酷い。水浴びが必要だ」
少し咽せながら呟いたものの、すでに日は沈み、とても水浴びできる明るさではなかった。
仕方なくそのまま帰宅することにして、再び道なりに進み出した。しばらく進み、緩やかな曲がり道の向こうに菩齊観が見えると、自然と頬が緩んだ。
3930その日の菩齊村は、ここ一年で最も暑いと言っても良いくらい、気温が高い日だった。
謝憐は、”生い茂って手がつけられなくなった雑草をなんとかして欲しい”という願いを叶えるために、高齢夫婦の家を訪ね、一日がかりの作業を終えて菩齊観へと戻るところだった。
細かく散った草木や土埃が汗で張り付き、髪も肌もざらざらとして、少し払うだけでも煙のように細かい砂が舞った。
「……これは酷い。水浴びが必要だ」
少し咽せながら呟いたものの、すでに日は沈み、とても水浴びできる明るさではなかった。
仕方なくそのまま帰宅することにして、再び道なりに進み出した。しばらく進み、緩やかな曲がり道の向こうに菩齊観が見えると、自然と頬が緩んだ。