イヴェル=エーレンベルクについてイヴェルを一言で表すならば、【冬】である。
いつも笑わず無表情で、何を考えているか分かりづらい為どこか近寄り難い雰囲気を持った人。
それ故に、かつてイヴェルが大学教授として教鞭を執っていた頃生徒達からは遠巻きにされていたのだが、ひとたび彼の講義を受けた生徒達は皆、距離をとっていたのが嘘のように彼に対して教えを乞うようになったという。
イヴェルもまた、そんな生徒達を無下にすることなくひとりひとり真摯に向き合っていく内に、生徒達の事をかけがえの無い何よりも大切な人達だと思うようになっていた。
しかし、そんな生活は長くは続かなかった。
戦争が始まる寸前、有能な人材を多く排出したイヴェルの有用性に目をつけた軍に招集されるも、国の上層部に対する不信感と学者であるので戦には向かない事や戦争を回避する方法がある筈と説いたり、生徒達の卒業を見届けねばならないと幾度も拒否する。それに業を煮やした軍の上層部に今すぐ軍に入隊し以降命令を聞かなければ生徒達を殺すぞ、と人質にされ止むなく徴兵されてしまう。
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