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    torikera_trpg2

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    イヴェル=エーレンベルクについてイヴェルを一言で表すならば、【冬】である。
    いつも笑わず無表情で、何を考えているか分かりづらい為どこか近寄り難い雰囲気を持った人。

    それ故に、かつてイヴェルが大学教授として教鞭を執っていた頃生徒達からは遠巻きにされていたのだが、ひとたび彼の講義を受けた生徒達は皆、距離をとっていたのが嘘のように彼に対して教えを乞うようになったという。
    イヴェルもまた、そんな生徒達を無下にすることなくひとりひとり真摯に向き合っていく内に、生徒達の事をかけがえの無い何よりも大切な人達だと思うようになっていた。
    しかし、そんな生活は長くは続かなかった。

    戦争が始まる寸前、有能な人材を多く排出したイヴェルの有用性に目をつけた軍に招集されるも、国の上層部に対する不信感と学者であるので戦には向かない事や戦争を回避する方法がある筈と説いたり、生徒達の卒業を見届けねばならないと幾度も拒否する。それに業を煮やした軍の上層部に今すぐ軍に入隊し以降命令を聞かなければ生徒達を殺すぞ、と人質にされ止むなく徴兵されてしまう。

    そうして平和派であったが生徒達を護るため(後に国の為にという自らに言い聞かせるような意思を持ち始めたが)軍に入隊しあれよあれよと押し付けられた仕事を黙々とこなしていると、いつの間にか階級が中将に昇進していた。(入隊時はいきなり異例の中佐を任命された)それは正規軍人からすれば面白くないようで、殆どの軍人からわざと陰口を聞こえるように言われたりなど、敵意や嫌悪を常々向けられている為に軍内では孤立している。

    とイヴェルは思っているが、軍内でたまに行われるイヴェルの講義を受けた一部の正規軍人達や、イヴェルと同じように強制徴兵された人々からはちょっとした派閥が出来るほど密かに慕われており、完全に孤立しているとは言い難い。

    早く戦争が終わって静かな元の生活に戻りたいと僅かに願っているが、【軍人】として国が残ればそれでいい、と思っている。
    ----

    【軍人】は祖国に仕える駒であるから、【教授】であってはいけないし、そもそも【個】はいらない。
    ただ、【中将】として有ればいい。


    「教授………どうしてそんなに、変わってしまわれたのですか……!」

    だから、かつての教え子と対峙しても。
    もう、何も思う事はない。
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