アイドル活動を行いながら二人はひっそりと過ごしてきた。
どちらかの部屋に行って過ごすことが大半だ。
三月が大和の部屋に行く途中、弟の一織がいた。
「兄さん…」
「大丈夫だ、一織。心配するな」
一織は心配だった。
いつかバレてしまい、ゴシップにされてしまう事を。
「兄さんは…どうしてそんなに強いんですか?」
「一織、いつかお前にも守りたい人が出来たら分かるぞ」
「……!」
その言葉に一織は驚いた。
でも救われた気がした。
三月は笑顔で一織の頭を撫でた。
それを見た一織は苦笑いをしていた。
「兄さん達のことは私たちが守ります」
「ありがとな、一織」
お礼を言ってから一織と別れた三月。
部屋に着いてからノックをした。
「どうぞ〜」と愛おしい声が聞こえニヤケながらも部屋に入った。
「ヤマさん、遅くなった」
「大丈夫だ、誰かに捕まったんだろ?」
「まぁな、一織だけどな」
「アイツらも心配性だな」
「それほど俺たちの事思ってるんだよ」
普段通りの会話。
仲間に恵まれていた。
それが感謝しか無かった。
その時だった。
三月が何かを取り出したのは。
それを見た大和は驚愕をした。
それは指輪の箱だった。