師走師が走るほどに忙しいという12月。この場合の“師“とは先生のことではなく、師匠である僧侶を指す。普段落ち着いているような人でもお経あげるために馳せ回り、多忙になる月、ということらしい。
聞き齧ったことなのでそれ以上のことは知らない。教えてくれた当の本人は、“師“よろしくバタバタと忙しなく働いている。毎晩遅くに帰宅し、風呂で寝落ちしかけ、録画した番組は溜まっていく一方だ。壁に貼ってあるタスク表はチェックがついては新たなタスクが増えていく。油断するとコーヒーをガバガバ飲むので、3杯目のおかわりに立ち上がった瞬間に止めに入らなければならない。
「何か手伝えることあります?」
菅原さんの(胃の)ために購入したノンカフェインのお茶を淹れながら尋ねると、しばらくタイピングを止めて思考していたが「うーん……応援してほしい」とだけ言われた。
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