Bonfire of Salvation とある惑星の狭い国、昼間の空は雲こそ少しあるものの晴れており、一国に爽やかな空気を齎している。賑わいのある町並みから外れた道なき荒れ地を、項垂れながら歩く者が一人。
「はぁ……」
宇宙防衛軍のキャプテン、ダック・ドジャースに仕えている助手のカデット。晴れ空に似合わず、何やら憂鬱な顔色と様子だ。当てもなく俯いたまま歩いていると、前方で何かにぶつかる。小さくも驚きの声が聞こえたことから、物ではないことは確定だ。
「すすす、すみませ……あぁわわわっ」
「キミは……」
彼が驚くのも無理はない。自分がぶつかった相手は、自陣の宇宙防衛軍が何度も敵対している火星軍の司令官、X-2なのだ。
「あ、あのあのあのちち違うんです。こここ、此処は穏便に……」
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