0202上 早朝、ストームボーダー内の大きなガラス窓からデイビットは、ぼんやり何処までも続く白紙化された地球を眺めている。と、下からコートの裾を引っ張られる感覚が……。
「?」
下に視線を向けると、そこには特徴的な飴色の髪に玉子色の瞳の小さな女の子が。
だが、どこか見覚えが……否。ほぼ毎日顔を見ている。
そもそも彼女は昨日、微小特異点に向かったのではないのか?
「こんにちは!わたし、ふじまるりつかです!ごさい!おにいちゃん、おなまえは?」
「藤丸……随分と小さくなったな」
「わたしのことしってるの?」
怖がらせないよう、目線を合わせるため膝を曲げ腰を落とす。
「ああ……なるほど。勿論知っているさ。今の時間はおはようだ。オレの名前はデイビット·ゼム·ヴォイド」
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