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    30↑デぐ︎︎♀/鯖ぐだ♀嗜む

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    ツインテの日ネタ
    焚き火組。CP要素なし。
    ぐだ子が小さくなってる(ご都合設定)
    補足:決戦用カルデア着用してます。
    書きたい所が多くなってしまい、長くなりそうなので、上と下に分けます。※上ではまだツインテになってないです。
    本文は、ギャグ展開、キャラ崩壊を含みます。
    この時点で耐性がない方は引き返しましょう。
    読了後のクレーム受け付けてません。

    0202上 早朝、ストームボーダー内の大きなガラス窓からデイビットは、ぼんやり何処までも続く白紙化された地球を眺めている。と、下からコートの裾を引っ張られる感覚が……。

    「?」

    下に視線を向けると、そこには特徴的な飴色の髪に玉子色の瞳の小さな女の子が。
    だが、どこか見覚えが……否。ほぼ毎日顔を見ている。
    そもそも彼女は昨日、微小特異点に向かったのではないのか?

    「こんにちは!わたし、ふじまるりつかです!ごさい!おにいちゃん、おなまえは?」

    「藤丸……随分と小さくなったな」

    「わたしのことしってるの?」

    怖がらせないよう、目線を合わせるため膝を曲げ腰を落とす。

    「ああ……なるほど。勿論知っているさ。今の時間はおはようだ。オレの名前はデイビット·ゼム·ヴォイド」

    「でい?ぜ、む?」

    うーん……。難しいと顔が語っている。

    「デイビットでいい」

    「でい、びっと!」

    辿々しいが、とても愛らしい。
    上手に言えたなと頭を撫でてやる。
    髪の毛がさらさらで指触りがいい。

    「くすぐったいよー!えへへ」

    彼女の人懐っこい笑顔も健在で子供の姿になり更に眩しく感じる。

    その時、近くの通路からバタバタと慌ただしく駆けてくる者が。

    「お嬢!どこに行った……!」

    「あ!てすぽか!」

    「居た!その呼び方はやめろ!探したんだぞ!?デイビット絶対そこから動かすな!」

    「あーあ、みつかっちゃた!」

    彼女の声が聞こえ、長く美しいブロンドの髪を振り乱し、恐ろしい形相で此方に迫って来るではないか。
    だのに藤丸はそれを恐れず呑気に、にこにこ笑いながら言っているのを傍から見ていたデイビットは、この神経の図太さは幼子の頃から出来上がっていたのか……大物だったのだな……とひとり脳内で納得し頷く。

    「おじょうってなーに?わたしのなまえはりつかだってば!あなた、まちがってばかりだよ!」

    「ああ?神に意見か?」

    「察するに、昨日の微小特異点か?」

    「そうだ。あれは特異点去り際に起こった……」

    ほわんほわんポカポカ〜。

    『アニキのおかげで、今回も早く片付いたね!』

    『もっと、神を敬え。最近殆どの編成にオレがいる気がするんだが……』

    はあ〜〜早く帰って一服したい。それだけが頭を占める。

    『他のメンバーも帰還した事だし、そろそろ私達も……っ!?テスカトリポカ後ろ!危ないっ!』

    ガサガサ!と茂みの後ろから、先程倒したはずのエネミーが、此方に向けて最後の力を振り絞り、何か怪しげな光を放つ。

    『おあっ!?』

    戦神に思いっきりタックルして来たマスターに、咄嗟の受け身を取れずそのまま地面に激しくすってんころりんする。

    『すってんころりんどころじゃねーぞ!?』

    だがいい体当たりだ!流石オレの戦士!

    空に向かって何故か叫び、勢いよく立ち上がり、土埃を払いながら急いでマスターの元へ駆け寄る。

    『無事か!?』

    そこに居たのは、幼子の姿に変わってしまったお気に入りの戦士の姿が。しかも、今にも泣きそうな顔で出迎えている。

    『や、やめろ。なっ泣くな落ち着けっ……!』

    『うっ、ひっく……うわあああん!!』

    それはそうだ。気づいたら訳も分からない場所にほっぽり出され、挙げ句の果てに、サングラスをかけた長身の男が突然現れたのだから……。
    心も体も子供に戻ってしまった彼女は泣くしかないだろう。

    オレも傷つくが!

    「それから、泣き止むまで必死に取鎮めたが、最終的に飴をくれてやったら泣き止んだ……。回想は以上だ」

    「……そうか」

    「死にかけに妙なモノを……。お嬢のやつ、オレを庇いやがって」

    「ご都合展開って事だな」

    「ふ―た―りとも、なにおはなしているの?」

    「なんでもねぇよ。とにかくだ!聞けば、元に戻る迄半日と短いらしいがそれまで面倒見ろと言われてな」

    「お前は最近、藤丸の気に入りだから適役なのだろう……。邪魔したな」

    デイビットは、踵を返し部屋へ戻ろうとしたその時、温かい小さな手に小指を握られる。

    「でいびっとおにいちゃんもあそぼ!」

    「っ!?いや……オレは……」

    「そうだな。デイビットお兄ちゃんも入れてあげてくれ。遊んでほしいと言っているぞ」

    にやにやしながら見やる。

    「一言も言っていない」

    「あそんでくれないの……?」

    しゅんと落ち込む藤丸を見ていたたまれなくなり、ぎゅっと目をつむる。

    「……分かった」

    「やったー!」

    きゃっきゃっと喜んでいる藤丸の後ろから、戦神は吹き出さないよう耐えているのをデイビットは睨みつける。

    「じゃあね〜、おままごとしよ!」

    『『おままごと……だと!?』』

    以心伝心した元相棒2人。

    「……取り敢えずお嬢の部屋に連れて行くか」

    「あ、ああ」


    ――マイルーム――



    「途中キャスターのアルトリアに見つかった際は、騒いで大変だったが、逆に彼女と行き合えてよかった。女児の髪を結える髪留めを手に入れられたのは、思わぬ収穫だった」

    『こんなに小さく可愛くなったマスターを一人占め?いや二人……?と、とにかく!私は急ぎの用事があるので、髪を結ってあげてください!ぼさぼさのままですと可哀想ですよ!あと見たいので写真お願いしますね!では!』

    と、マシンガンの様な早口で、言いたいことだけ言ってデイビットへ髪留めが入った缶を半ば強引に押し付け、通路を走り去っていく。そんな彼女に3人はポカーンと暫くその場から動けなかった。
    手には、いちごの絵がたくさん描かれているお菓子の缶が。開けてみると、ボンボンやリボン等のいろんな種類のカラフルな髪留めが入っている。
    おまけにおままごとするならと、可愛いらしいピクニックシートも手に入れた。
    なんでも次の休暇の時に、一緒にピクニックパーティをするんだとか。

    「厄介な奴等に、会わなく済んだのが救いだったな」

    はあーっとため息吐きながら、マスターのベッドに腰を下ろす戦神。
    懐から煙草を吸おうと出した時。

    「よせ、受動喫煙になる。今の藤丸はまだ幼い、配慮しろ。それに元より吸わない質だろう彼女は。そんなに口寂しいなら飴を舐めることだな」

    「……へいへーい」

    大人しく戻し、パンツのポケットに入っていたミント味のの飴を口に放り込んだ。

    「では藤丸。おままごとを始めよう」

    「は〜い!」

    「デイビットお前、ままごと分かるのか?オレは聖杯からの知識で得られているが」

    「馬鹿にしているのか……?身の回りの人間によって営まれる家庭を模した遊びだろう」

    ピンクのファンシーな柄のシートを敷きながら話を続けるデイビットお兄ちゃん。

    「そして、家族に見立てた役を振り分ける。大人の真似事をして社会的ルール覚えていく。役柄を決めるのは藤丸……君だ」

    「えっーと!てすぽかがね……おかあさん!」

    「madre!?」

    「mother!?藤丸、正気か?」

    ガリッ!と飴を砕く音が響き渡る。

    「不敬だろ!?ッ、ゲホゲホ!ゴホッ」

    まさかの展開に動揺を隠せず、思わず砕いた飴を飲み込んでしまい咳き込む。

    そんな哀れな姿の戦神見て同情するが、嫌な汗が首を伝う。何故なら次は自分の番だから。
    この話の流れで、役がどうなるのか想像がつかない。
    未知なる領域に彼は挑むことになる!

    「おにいちゃんはね……わたしのいもうとよ!」

    「……」

    ほらね。

    流石のデイビットも宇宙猫にならざるを得ない。
    壮大な宇宙空間に押し出されて、やや反応が遅れた。

    「……オレが妹」

    「お嬢と元相棒がオレの子……」

    どちらも眉間にしわを寄せ、微妙な顔をする。

    「だが、父親役はいないぞ?どうするんだ?」

    一条の光に縋る気持ちで、彼女の返答を待つ。
    デイビットの質問にでかした!とアイコンタクトと心の中でグッジョブする。
    どちらかが、父親役になっても結局争うことになるのは確実なのだが。

    「おとうさんはね、たんしんふにんで、しゅっちょうちゅうなの!」

    「そうか……出張中か……」

    「アッ、ソウナノネ」

    微かな希望はここで途絶えた。
    これで、母と妹へ完全に気持ちを切り替えなくてはいけなくなった。

    「以外と設定が細かいのだな……」

    姉へのフォローも忘れないデイビットは、できる妹なのだ。

    「現代社会すぎるだろ……何でそんな難しい言葉が分るんだ?」

    「おかあさんがおしえてくれたの!」

    「この位の歳の女児は早熟なのだろう」

    「ねえ!ふたりともこっちきて!すわろ!すわろ!」

    靴を脱ぎ、小さな手でシートをぽんぽんと叩く。
    そこで、不意に目にとまる。

    『『髪食べてる』』

    そう彼女は、気づいていないのか一生懸命此方を見ながらカモン!カモン!している。
    促された2人は、彼女を挟むように座る。
    まさか直ぐ使う事になるとは……キャスターのアルトリアから貰った髪飾りが入った缶のケースを開ける。

    「藤丸後ろを向いてくれ。髪を結ってやろう」

    「はーい!」

    「できるのか?」

    「見よう見まねだが。コームあるか?」

    「なんでもすぐ出せると思ってる?」

    「万能神だろう?」

    「まったく!しょうがねーな」

    何も無い空間に手を入れ、ゴソゴソと探し出す戦神に立香は不思議そうに見ている。
    そんな彼女を見て、にやっと悪い顔で笑うと……。

    「うっ、抜けねえっ!くそがああ!」

    突然手首を引っ張り出そうとして、痛みに耐えられない声を上げだす。只事ではないと思った立香はオロオロしだした。デイビットは白い目で見る。

    「でいびっとおにいちゃん!おかあさんがたいへん!」

    「気にするな。奴はお前を揶揄っているだけだ」

    「でっでも、いたがってるよ!」

    一緒になって空間から手を取り出そうと引っ張り始める。

    「痛てて……!よしせーので思いっきり引っ張ってくれ!」

    「うん!まかせて!せーの!」

    すぽっ!と空間の中から手を取り出すと袖から下のあったはずの手が消えていた。
    立香はえ?え?と訳も分からず目をぱちぱちとさせていた。

    「手が無くなっちまった」

    無くなった方の袖口を見せた瞬間、恐ろしさのあまり大泣きしてしまった。

    「うわあああん!おかあさんのおててなくなっちゃった!!」

    それまでことの成り行き静観していたできる妹が、戦神に強烈な拳骨を食らわせた。

    「痛ってぇ!!」

    ぐっ、だが!いい拳だ兄弟……!

    「オレの姉を泣かすな」

    ゴゴゴゴと音が聞こえそうな怒りの声と背後から今にも外宇宙の暗黒星と接続しようとしている元相方に慌てて止めにかかる。

    「やめろ!ほんのジョークだ!」

    「ジョーク?あれが?子供に対してあまりにも度が過ぎている。見ていたこちらまで引いたぞ。それでもオレ達の保護者か?」

    ひっくひっくしゃくりをあげている立香を抱っこしながら睨みつける。達って……役に成り切っているせいで、場は大混乱(主に戦神だけ)。
    どう返したら正解なのか背中に冷や汗が伝う。
    ここでまたしてもお気に入りの戦士を泣かせたらどうなるか……と考えるだけでも恐ろしい。特に妹が。

    一先ず仲直りをして親子関係の修復をして行こうじゃないか!っ思うワケ。

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