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    coco_otome

    オトメ勇者/✡️🎀メイン/20↑/雑食

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    coco_otome

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    今日は七夕今日は七夕今日は七夕(暗示)
    自覚したら恋愛関係の維持に時間を割けるクロービスさんって美味しいな……!ということで書いてみました。
    現パロにすると改変後の穏やか目の性格がデフォルトになるなぁと思いつつ、今後もお小言が多い改変前のクロービスさんも同時に愛でていきたいものですね☺️

    ##クロアス
    ##現パロ

    彦星を待つ / ✡️🎀−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−












































     仕事を一時中断し、人の気配の消えた廊下にクロービスは立っていた。アプリの一番上の履歴から、ちょうど1日前の相手に通話を開始する。そうすれば今日も1コールもしないうちに、弾んだ声が耳へと届く。


    「クロービスさん、お疲れ様です!」
    「……君はこんな時間でも元気そうだな」
    「ふふっ、いっつも時間きっかりにかかってくるんですもん。楽しみに待ってました」


     無邪気な満面の笑みのアステルが脳裏へと浮かび、クロービスはほうと息をつく。張り詰めていた気が緩み、少し表情を和らげて窓の外を見れば、空に一筋の光が見えた。


    「あっ、流れ星だ。今日は七夕ですし、願い事も叶いやすいかもしれませんね」


     君はまた根拠のない話を、と呆れながらクロービスは本日の用件へと入る。


    「今週末の予定はどうかね? 私は午前中は荷物の受け取りがあるから、明日の午後からならば空いているが」
    「私は大丈夫です。それじゃあ、お昼を持っていくので、一緒に食べましょう!」
    「ああ、君の好きにしたまえ」


     電話口の向こうで小さく聞こえるやったあという歓声に、ではまた明日、と淡々と告げてクロービスは会話を終わらせる。アステルのまた明日という返事を受けて通話は終了した。
     そのまま通知欄をタップすれば、ペアのマグカップの発送メールが目に入った。配達業者のサイトから、最寄りの営業所までは到着していることを確認し、クロービスは休憩を切り上げる。


    「あれが、可愛い、か……?」


     主に朝の洗面所で見覚えのあるしかめ面を思い出しながら、クロービスは自席へと帰っていく。その足取りは日が変わったあとの予定に、少しだけ軽くなっていた。
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    Replies from the creator

    coco_otome

    DONEオトメ勇者、マンガ5版完結おめでとうございます☺️
    そんなわけで、遅ればせながらエンディング後のクロービスさん視点のクロアスのお話です。
    思い出して速攻迎えに来るパターンもいいなぁと思いつつ、記憶戻るまでにちょっとラグがあってもいいよねと思ってこんな感じになりました。
    改変後の世界のクロービスさんが幸せそうで本当によかったなー。
    欠けた世界が満ちるまで / ✡️🎀--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------





















     己の記憶が定かではなくなったのは、一体いつからだったというのだろう。
     見慣れた平和そのものの城下の風景が、眩くも明らかな欠落を抱えている。この光景が見たかったのだという感慨と、だがそれには彼女がまだ足りないという焦燥がクロービスを視察先とは反対方向の馬車乗り場へと向かわせていた。今の今まで意識することはなかったが、通りは綺麗に道が整えられており記憶よりも走りやすい。それは魔物の襲撃が頻繁にあった以前の世界であれば驚異的だが、現在ではなんの変哲もない極めて普通のことである。なにせこの世界は、最初から魔物の脅威にさらされたことなどなかったのだから。
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