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    azisaitsumuri

    @azisaitsumuri

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    azisaitsumuri

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    よーり周辺の狩(?)におもちゃにされる傭※良好な関係(笑)

    ##傭リ

     丁度ツマミがなくなった。動機とは些細なものでも、そう呼ぶものだ。
    「お、あいつ今一人じゃねぇか。」
    「今かどうかではなく、呼んで話を聞き出す必要があるのかね。」
     大方、ぎゃふんと言わせたい、というところだろうが。酒の赤ら顔をお白いの下に隠し、鼻だけが赤い義足の道化男の向いた方を、尻尾を揺らしながら見やる。
    「お前もそこの奏者殿と同じように、おねんねしてくれていても構わんのだが。」
    「オイオイ冷てぇじゃねえか先生?」
    「鱗肌なのでね。」
     そうじゃねーだろッ。そこ迄騒いでいれば、当然耳に入っただろう、それも自身の話と来れば、面倒見の良いお節介焼きは自ら寄って来てしまう。
    「お!来た来た。」
    「……なんだその言い方は、茶屋の店員じゃないんだが。」
     茶屋の意味?まァ、接待の意味だよ……。
    「悪いがおれには心に決めた奴が居るんでな。」
    「そうじゃねーよッ!」
     真面目くさった顔で宣っているが、彼の言い分は冗談に乗せた本音だ。最初は少し癖があると感じるかもしれないが、彼と話している内に邪気が無いと分かる、そういうひととなりである。
    「その心に決めた奴の話をして行けって!」
    「ほう、なら一番高いものをもらおうか。」
    「コイツ!」
    「生存者の中だと、コレだな。」
     残った酒瓶の中から、一本差し向けてやる。受け取った彼が空瓶を避かして髪やら脚やらの無い空いた場所に腰掛ける。色々と長いのだこの寝っ転がりは。ついでに整頓して並べ直す辺り、ここでも彼のひととなりが分かるが、まだ素面である証拠とも言えるかもしれん。
    「昨日のことなんだが」
    「寧ろ話したかったクチかね?」
    「まだ飲んでねえだろうが。」
     こちらが思っていたより早い展開で、話が始まった。

     あいつは透明な男だ。透き通って空気に溶けて行くさまが、本当に美しいと思う。ずっとそう思っていて、昨日言ったんだ。
     けれど実際に口を突いて出た言葉は、少し違っていた。
    「火を点けた紙のように、みるみるうちに消えて行くのに、そこに居るんだな。」
    「ふふ、忌々しいですか?」
    「神秘的ってこういうことを言うのかな。不思議だとは思うよ。とても。」
     安心する。
     そう言うとあいつ、透明なままでこちらに首に爪を当てて来るんだ。
     直ぐそばで。
    「見た目が炎のようでも、焦げ付いた匂いはしませんものね?」
     声も匂いも、直ぐそばで。

    「あいつなんであんなに良い匂いするんだろう。」
    「初っ端から匂いの話が来るとは思わなかった……。」
    「まだ飲んでないんだよな……?」
    「これは少し前のことなんだが」

     おれがあいつの周りをうろちょろしているのは、おれがあいつで度胸試しがしたいからだって、あいつは言うんだ。
     けれどそんなことは無い。決して無い。美人が三日で飽きるなら、度胸試しなんて半日だろ。
     そうあいつに伝えれば。
    「昨日より今日、今日より明日の度胸試しですよ。」
     笑ってそう言った。
     どういう意味かと問えば。
    「わたしも日々自分を磨いているつもりでして、より恐ろしいハンターとしておまえの脅威で居ましょう。」
     そんなの飽きるどころかズブズブに嵌まり込んで、幾星霜過ぎようとも抜け出せない。

    「抜け出せるわけがない……。」
    「まだ次の話しろっつってないんだが……!?」
    「これ抜け出せないスタックなのは我々の方では……?」
    「これはもう少し前のことなんだが」
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    azisaitsumuri

    DOODLEよーりinファーストフード店
    「構いませんよ」珍しく腹が減ったと申告された。対するこちらは、自分の腹具合がいまいち認識し切れていなかった。時間的には、確かに腹が減っておかしくない頃合いだが…。ひょっとしたら、こちらがいつものように空腹を訴えないことに疑問を抱かせてしまったのかもしれない。いや分からない。まずいな。自分で予想していた以上に、自分が緊張していることを疑う。しかも。「今この辺りはファーストフード店しかない」移動時間と休憩時間を上手く考慮出来ていなかった。ミスだ。しかしそれに対してが、冒頭の返事である。「…良いのか?」「なぜ?」いつもおまえが食べているのでしょう?「チェーン店とは言え、店舗に寄っては多少並ぶ商品に差があると言いますからねえ。おまえがいつも頼んでいるのはどれです?ありますか?これとかおまえ好きそうですけど?」「…これだな。」「そうですか。」すみません、注文よろしいでしょうか?ハイお伺いいたします。こちらを二人前お願いいたします。2セットですね?かしこまりました。セット…ああ、はい、2セット、お願いいたします。「お、おい…」あの男が…ファーストフード店で注文をしている…。良かった、誰も並んでいなくて。並ぶという手順を知っているか、後程確認しなくては。それではお席までお持ちしますのでお掛けになってお待ちください。分かりました。「席で待てと言われましたが…?」「ああ、どこでも良いんだよ。行こうか。」席を案内されないことに戸惑っている様子の紳士を連れて、適当な場所を選ぶ。座れば直ぐ、トレーが運ばれて来る。ごゆっくりお召し上がりくださいませ。「すごい。本当にファーストですね。」紳士も納得の行く速さだったようだ。心の中で見知らぬ従業員らに感謝する。「じゃあ、食うか。」「ええ。」イタダキマス。いつも自分で頼むのは、セットになっている、骨つき肉1ピースとナゲット5組とポテト、それからドリンクだ。飲み物はどちらもコーラを選んだようだ。たぶん、指さしたメニューの写真がコーラだったから、それにしたのだろう。次は一緒にやろうか。なんて思いながら食べ進めるも、相手は仮面をずらして口元を晒して以降、こちらを見たまま、何にも手を付けていない。けれどどうしたのかと見つめると、ナゲットをひとつまみ。こちらの様子を見ながら、ケチャップを付け、口に運んでいる。どうやら食べ方の手本にされているらしい。そんな倣われ
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    azisaitsumuri

    CAN’T MAKEあとしまつ観た感想よーりです。(え?)
    映画のネタバレが有るわけではございませんが、気になる方はまたいつかお会い出来るその時まで…ノシ

    時代モノって言うか、異世界。史実上の人類史がかなり早送りで発展してる世界観、たぶん。←
    がらてあちゃんがリの上司で出る。それから庭が傭の補佐的な立場として出る。たまには庭に悋気を起こすリなどを、と。(笑)←
     数年前。
     まだ銃火器が主流でなかった時代だ。
     戦場での戦いは白兵戦が物を言った。
     中でも刀と鉈の使い手が強かった。
     それがつい数年前のこと。されど数年前のこと。
     今は火薬の時代である。
     数年前、白兵の部隊に居た男は、これで自分もお役御免かと思ったが、隠密系の部隊に回された。
     男は姿を隠すことが得意であった。
     それなら確かに、武器が冷兵器から重兵器に変わろうと、幸か不幸か、男の居場所はまだ戦場にあると言うことだ。
     それどころか、男はその隠密技術により、白兵の頃より昇進してしまった。
     身の回りが便利な上等なものに成ったのは喜ぶべきことだが、戦場から離れた場所が、男にとっては不満だった。
     男は純粋に戦いを好むだけで無く、戦場にこだわる理由が有った。
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