Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    azisaitsumuri

    @azisaitsumuri

    ぽいっ。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 👒 💚 🍎 😊
    POIPOI 126

    azisaitsumuri

    ☆quiet follow

    りよーにもよーりにも上手いこと成らない何か(爆)逆にどうじくりばなのかもしれない(?)傭が癇癪持ちっていうか、なんか叫んでる。凄い「なんちゃって」感。

    癇癪を表現するに至っていない。←
    レッド・スパローを観て書いたんだよなぁ…。(懐古)

    ##傭リ

     発砲。
     大きく息を吸う。硝煙の匂い。
     息を吐く。血を吐きそうなのはこっちだ。
     それの繰り返し。
     そうすれば生きていける。
     引き換え、目の前の胸はなぜ呼吸をしないんだ?
     答えは簡単。
     殺したから。
     相手を殺し、自分を生かす方法。
     それの繰り返し。
     けど……。
     通信機を取り出す。見た目は市販のスマートフォンと見分けることなど不可能。
     連絡先は、一つ。
    「はい。」
    「完了。」
    「よろしい。」
     短い通話。
     良いんだ。仕方がない。早く帰れば、直接声が聞ける。おまえの匂いを感じることも出来る。
     硝煙を浴びた上着を元標的に向かって投げ付ける。
     次いで「火種」を放り込む。まだ咲かせない。
     通信機も投げ入れる。
     乗って来た車からバイクを引っ張り出し、その場を去る。
     適当なところで「新しい」通信機を取り出し、着火させる。
     遠ざかりながらも耳に届く爆発音。
     振り向くことすらせずバイクを走らせ、脇道に入る。
     程なくしてサイレンの音と、頭上からブレードスラップ。
     終わったことだ。振り返らない。
     けど……。標的は、どうして殺されねばならなかった?
     それは誰も教えてはくれない。標的も、アイツも。おれが「実行」班だから?
     どうして?
     バイクを走らせる。
     もう、なんの音も匂いも分からなかった。
     ただ行き先だけを、帰る場所だけを目指して走らせる。

     帰る場所はいつも違う。
     だってそれは「地点」ではない。
     夜。それは「実行」し易くもあるが、人々の警戒心も強まる時間。
    「そう言ったのはオマエなのに、どうして夜にしか会えないんだ?」
    「おや、心外ですね。昼夜を問わず、あんなに躾けてやったと言うのに。」
    「それはおれを拾って直ぐのことだろう……。」
     相手は、ふふ、と笑った。
     見晴らしの良い噴水公園に心地良い吐息。思わず目を閉じて笑い声に聞き入る。いや、本当は何処で聞いたって、笑ってさえくれるのなら、それで良い。
     その笑い声をバックグラウンドミュージックにして、高所の襟が艶めかしく踊った。男は長身なのだ。
    「おまえ、覚えが早かったですからねえ。」
     ああそうだ。おまえに褒められたくて必至だった。
     離れ難かった。なのに。
    「そしたら逆に、おまえと居られる時間は減ったってわけだ。」
     ばかだよなぁ。
    「どんな雛にも、巣立ちの時は訪れるものです。」
    「子供扱いするな……。」
     また笑い声。公園に響くことのないくらい、ささやかな。
    「子供でなければ、夜の標的の仕留め方も、勿論覚えているのですよね?」
     更に潜められた声に、その吐息を浴びたくて近付く。
    「酒、薬、それから……」
     その脚を両手で引き寄せ、なのに胸は逆にこちらから詰め寄る。しかし熱を持つのはこちらの吐息だけである。
    「ふふ、やっぱり覚えが早いんですね。この手は何度使ったのです?今回も?」
    「ばか言えおまえだけだ。」
    「おやおや、使わないなど勿体ない。」
     手段としてしか捉えられていないのが、悲しかった。
     それでも伸ばす手を止められなくて、その脚を手の届く範囲撫でさする。
     男が膝を上げて距離を取る。その膝を捕らえることは叶わず、脚を抱いて得た掌への刺激だけが、余韻として香る。
    「なぁ、」
    「はい。」
    「……あの標的は、どうして標的になったんだ?」
     膝を下ろした男が、今度は近寄って来る。
    「完了したのでしょう?」
    「ああ。」
    「もう終わったことでしょう?」
    「でも。」
     身を屈めた男に、胸に縋られる。
    「わたしの役に、立ちたいのでしょう?」
    「ああ、ああ。」
     がくがくと頷く。
     首筋にかかる冷たい吐息に、こちらばかりが熱を上げてゆく。
    「では、次のお仕事です。」
     獲って来い。
     そのまま霧の中に消えてしまった男が、引き返して来ることなど有り得ないと分かっているのに、その場に暫く留まってしまう。
     そうしてようやっと、無意識に詰めていた息を吐いて、吸う。繰り返す。生きる。
     標的は死んだが、こちらは生きているのだ。
     擦り寄られた胸を撫でさする。
     ポケットに入れられたメモを取り出す。
     内容を記憶して、メモに火を点けた。
     全て灰に成るまでを確認し、ライターを仕舞う。
     形として残してはならない。
     形在るものは、あいつ自身と、おれと、このライターだけだ。
    「獲って来るよ。」
     霧の感触が薄れないよう、日が登る前に公園を後にした。

     通信機のカバーをスライドさせ、中から鍵を取り出す。
     地下鉄のロッカーに鍵を差し込み、中から鞄を取り出す。
     代わりに通信機と装置を入れ、鍵をさしたまま、立ち去る。
     鞄から新しい通信機を取り出し、起爆させる。
     背後から爆発音、悲鳴、煙。
     振り向きながら慌ただしく走り出す。逃げ惑う大衆に紛れる。
     喧騒が聞こえない程離れたところで、指定のホテルに入る。
    「予約していた、」
     フロントでキーを受け取り、部屋に入る。
     部屋を見て回る。
     あくまで、宿泊客が部屋を散策している、という体で。各部屋から出口(それは部屋の扉であったり、場合によっては窓である。)への動線を確認する。
     風呂場で鞄を開ける。扉からも窓からも死角になる位置で、中身を確認してゆく。
     ドル、ドル、ユーロ、ユーロ、ドル、鍵、拳銃二丁。
     札束と拳銃一丁を、部屋の金庫の裏にさし入れる。金庫を元の位置に押し込む。
     もう一丁は身に付ける。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    azisaitsumuri

    CAN’T MAKE現パロ幼馴染よーり。付き合ってない。
    どこか戸惑ったような感情を醸し出した男が、けれどそのまま口を開いた。「おまえがすきです。」それにおれは多少驚きながら。「おまえそれ、言うつもり有ったんだ?」言うと男は、いえ、と。やはり戸惑った儘呟いた。当の本人の戸惑う通り、本当に言うつもりはなかったのかもしれない。しかしこいつは、たまに今迄とはなんの脈絡もない行動を突然取ったりする。それをおれはその度に、こいつに、こいつの中で何かあったんじゃないかと心配するものだが、当人にはなんの心当たりもなく、普段通りにも関わらず自分でもそれ迄は思いもしなかった行動を取っているらしい。それを自分自身で疑問視していないのが不思議な話だと思うのだが、本人がこれなので、おれもそういうものだと思うしかなかった。一先ず言いたいことを言ったのだろう男の言葉を受け取ったおれは、しかしどうすることも特になかった。すると男がうろ、とまた口を開く。「おまえ、今迄誰かとお付き合いしたことあります?」「おまえと以外に?」「いや、わたしとも付き合ったことないでしょう…」「そうだな。おまえが思ってるような付き合いで、おまえが知らないような付き合いはないよ。」そんな付き合いがあればおまえに言っている、と言外に言ったがしかし少し考えた様子の男は。「おまえ、せふれがすきなんですか。」「なんでそうなる。」違うよ。「そんなものも居ない。」呆れながら伝える。
    587

    recommended works