その首を締め付けた。
仰向けに倒れさせた小男に馬乗りに成り、右手で首を掴んだ。
男はされるが儘だった。
「なぁ、」
なのにちっとも死な無かった。
「絞殺には二種類有る。」
男の目はずっとこっちを視て居た。
「気道を潰すか、首の骨を折るか。」
右手には相変わらず手加減無しの目一杯の力を込めて居た。
「これじゃ、どっちも為せ無いよ。」
男の両手が容易く右手に触れた。
節榑立った指が施すその余りにも柔らかな感覚に、目が覚めた。
「ああ、おはよう。」
自分は男の膝を枕にして居た。
右手を男の背に回し、その儘締め付ける。
「ぐえ。」
滑稽な悲鳴に満足しながら、自分の顔を埋めた男の腹に向かって呟く。
「おまえはやっぱり絞殺じゃ無くて刺殺します。」