触手大好き精神科医が触手がいる白い部屋にぶち込まれました。「ぅ……ぐっ」
ガンガンと押し寄せる痛みが脳に響く。なんだ?最近夜勤だけでなく、遅くまで勉強とかしていたから……か?目を開けることも煩わしいとも感じる痛みに、思わず、顔に力が籠る。
けれども、じわりとその痛みはゆっくりと、けれども確実に和らいでいく。
それと同時にだんだんと重くなる身体は捩り、光が差し込んだ。
…………チクッ
(なん、だ?)
右耳の一瞬の痛みと同時に、うっすらと視界が開けて、何度か瞬きを繰り返す。
「……どこ、だ。ここ」
降り注ぐ照明と、真っ白な壁と床。何処だかはわからないが、見覚えがありすぎる景色にため息が出る。どうやらまた何かに巻き込まれたようだ。
(とりあえず……状況を把握するか)
ゆっくりと身体を起こすと同時に、影が視界に入る。それも自分のものではなく、とてつもなく、大きく丸い台形。人間でもなにかの動物とも思えない。
7541