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    sayo6

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    小説じゃないです。雑記。

    大和政権の外側の人たち今年ゲキシネが20周年特集をやっていることもあり、私は中島かずきさん脚本の過去の舞台を今年は3作も見ることができました。
    「朧の森に棲む鬼」
    「アテルイ」
    「吉原御免状」
    どれも15年とかそれ以上前の作品。

    それらには「山の民」「酒呑童子」や「蝦夷」「アラハバキ」、「傀儡子」「道々の輩」「公界(くがい)の者」という大和政権の外側にいる人々が出てきてて、これらの作品のなかでは、彼らは敗北者でもなく蔑まれる者でもなく、生き生きと描かれていてそこが印象的でした。

    「薄紅天女」や「風神秘抄」それ以降の作品もそうだし、ジブリの「もののけ姫」もそうだったのかなーと思いまして(アシタカの村って蝦夷がモデルだったりする?)

    大学生の頃に、面白く読んだ本に、網野善彦さんの「日本の歴史を読みなおす」「無縁・公界・楽」などがあります。平安後期から戦国時代あたりの、芸能の民、定住しない、漂泊の民にスポットを当て、こういった人々は身分が低く差別されていたと考えられがちだが、当時は下層民ではなく、国家に支配されない、むしろ神と繋がっている人々と考えられていた、というようなことが書かれていました。(大約すぎる)

    あと去年オギワラー仲間のおすすめで、中沢新一さんの本も読んでみました。太平洋を囲む地域で類似の神話が残っていること、国家を持たず自然と共に生きることで秩序を保っていた人々。主に北海道や東北について書かれていて、これも面白く読みました。

    網野氏があげた 傀儡子、山伏、陰陽師、勧進聖、楽人、白拍子、遊女、巫女、と、中沢氏があげたアイヌ、蝦夷、サンカは、全然イコールではないのですが、国に属さない人々として、物語ではわりと同じカテゴリーになっているのかな?と感じました。

    こういう国家の外側にいる人々がメインキャラクターとして出てくるお話に実は今までたくさん触れていたことに気づいて、面白い!と思いました。
    ゴールデンカムイはもちろんそうだし
    巷説百物語シリーズとかもそうだったのかな?
    そんな中でも、国家と外側の融合を描く勾玉三部作って特殊かもしれないと思ったり。でも「吉原御免状」の主人公も血筋を超えて吉原側につく人か。

    「薄紅天女」を読み返してみると、蝦夷の人々はもちろん、チキサニは海の向こうから来た人()だし、空海が生まれた佐伯は、大和朝廷の征討によって捕虜になった蝦夷が各地に配置された者たちという説もあるらしく(違う説もある)、また桓武天皇の母(苑上のおばあちゃん)高野上は百済の子孫でありこちらも海の向こうから来た人、というわけで、大和ルーツではないキャラクターが大勢いるんです。
    大陸から渡ってきた人と、日本列島にいた別の民族はまた意味合いが違いますが。

    まだまだ勉強不足だし、ちゃんと勉強したらそんなに単純な話じゃないから一緒にすんなと言われそうなんですが(蝦夷とアイヌは一緒じゃないし)、作家さんたちのネタの発端を見かけたような気がして、なんか発見、と近頃思ってます。


    ちなみに
    「朧の森に棲む鬼」はリチャード三世と、酒呑童子と源頼光が元ネタ。
    「アテルイ」の元ネタは阿弖流為と坂上田村麻呂。
    アラハバキは物語の中では蝦夷の神様でした。多賀城の近くにも荒脛巾神社というのがありましたが、蝦夷由来の神社かどうかは諸説あるみたいです。
    「吉原御免状」は原作は隆慶一郎で、隆慶一郎氏がそもそも網野善彦氏に影響を受けていたみたい。
    徳川家康身代わり説とか、とんでも説がふんだんに散りばめられていて楽しかった。
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