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    kaoruhana03

    @kaoruhana03

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    kaoruhana03

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    嫉妬🌟くんを書きたい衝動でかきました。
    多少流血表現ありますので苦手な人は回れ右(笑)

    DeepJealousy【トリゴス】本当に偶然だった。
    何の意図も策略も無い、ただの偶然が引き起こした惨事が
    今僕の身に降りかかろうとしている。
    その惨事を引き起こすのが目の前に立つトリックスターだ。
    凡その予感は当たっているだろうが、流石にこうなるとは
    思いもしなかった。






    ―酒場




    宵の口、酒と猥談と飯が飛び交い賑わうここに
    僕は何となく足を運んでいた。
    トリックスターとの相部屋になってから、夜の賑わいに
    顔を出すのが少なくなっていた。
    久し振りに、リージョン一派が手を振って
    僕を席へと呼ぶなら僕は何のためらいも無くそこへと向かった。
    程好く酔いの回った彼らは割とスキンシップ多めで、特に
    フランクは酔うと陽気に絡んでくるのは常故に
    気にすることも無く僕は会話に交じった。
    一頻りここ最近の儀式は何だとか、エンティティがうざいだとか
    サバの煽りが酷いだとか、愚痴とネタが交じり合い、僕の酒も少しだけ
    進んだ頃に、用を足したくなり立ち上がった僕の胸元から、
    隠し持っていた写真が一枚ひらりと床に落ちた。
    それを僕が屈んで拾おうとしたことで、同じ行動を起こしたフランクと
    マスク越しに顔が触れ合った瞬間を
    今しがた来たばかりだろうトリックスターの瞳に映った事が発端となった。


    『おぁ!?悪ィ、ゴスフェ!?』


    『いいよ、マスクが擦れただけだし写真拾ってくれて有難う』


    『お、おぉ』


    ちらりと写真を見遣ったフランクは何とも言えない顔で
    そのまま僕に写真を手渡した。


    『……ゴスフェ、君飲み過ぎだよ』


    『……』


    あぁ、やばいなあの顔。
    正直あの張り付けた様な笑顔のトリックスターは質が悪い。
    僕は微かな動揺を滲ませるも、常のポーカーフェイスを保って
    写真を懐へ収め乍ら、トリックスターに向き直った。


    『そうだね、そろそろ部屋に戻ろうかと思ったところだよ。』


    『そう?なら相部屋何だし一緒に帰ろ?』


    『トリスタ、君来たばかりだろ??ゆっくりして来たら?』


    僕はこういう時のトリックスターの異常性は、嫌と言う程知っている。
    それ故か無意識に避ける様な言葉に、これは悪手だったと後悔した。
    変わらぬ笑顔のまま、僕の手首を掴みゆっくりと自分の傍へと僕を引っ張るなら
    それは暗に彼の"逃がすわけないだろ"の合図だという事が僕には伝わった。
    ただ、周りは無駄に微笑ましく、相変わらず面倒見がいいな?トリックスターは
    何て目で見てるから嫌になる。


    『僕は君が遅いからさ?酔いつぶれて、
    ぶっ倒れてるんじゃないかと思って顔出しただけだよ?
    ほら、悪酔いする前に帰ろ?』


    『……掴まなくても良いだろ?大丈夫だから』


    そう言う僕の手首を強く握り込み、
    仄暗い笑顔をトリックスターは、僕の間近で見せた。


    『そう言って酔いつぶれるの、お得意でしょ?ねぇ?ゴスフェ』


    『あー……も、分かった帰る、帰るよ』


    そのまま振り払おうとした手をトリックスターは引っ張り
    自身の傍へと僕の身体を引き寄せ、腰に手を遣り
    肩に掴んでいた腕を掛けて、さも僕が酔ってるように周りに思わせた。


    『あーほら、足元ふら付いてる支えてあげるから』


    『……酔ってない』


    そう僕が、不機嫌そうにつぶやくも彼は満面の笑みで
    フランク達に振り返り告げた。


    『楽しんでるところ水差すみたいでごめんね、フランク。
    ゴスフェ足ふら付いてるみたいだから、このまま連れ帰っちゃうね?』


    『お、そっかァ??気をつけてな??また飲もうなゴスフェ、トリスタ』


    『うん、またね?』


    何にも無かったように僕は酒場から連れ出され、部屋に向かうと思いきや
    何故かトリックスターは僕が使っていた地下牢獄部屋へと僕を連れやっていく。


    『トリスタ……君こそ酔ってる??部屋へ向かう道順では無いと思うけど?』


    『……』


    僕は掴まれた腕を強く引っ張り、腰を抱かれた手から逃れようと身を捩るも
    こういう時のトリックスターの力は無駄に強い。
    幾ら多少の酒が入ってるからとはいえ、普段ならば振り解ける彼の力が
    今は異常に強いのだ。
    嫌な予感を滲ませ逃げる事の出来なまま僕は、僕が愛用していた拷問部屋へと
    共に押し込まれ、彼は扉の鍵を掛けた。


    『……ッ!?』


    部屋へ入るなりトリックスターは僕の身体を固いコンクリートの床へと
    押し倒した。


    『君、フランクと何してたの??』


    『……君が見たのと、僕が思うものが一致するかは定かじゃないけど、
    僕の思う出来事に腹を立ててるなら、あれは事故だと
    君だって容易に分かるだろ?』


    『何で唇許したの??』


    『だから事故だって、僕が屈んだと同時に
    フランクも同じことしてたってだけで……。
    それにマスク越しだったでしょ?掠った程度だし』


    『……消毒しなきゃ』


    『ちょっ!?』


    こうなったトリックスターに聞く耳何て無い。
    僕のマスクは無理やり剥がされ、息が詰る様な口づけが交わされる。
    僕は呼吸を奪われ、苦しさのあまり彼の襟や後ろ髪を掴み離そうと引っ張るも
    お構いなしに、彼の舌が容赦なく口内を蹂躙した。


    『んぐっ!!う、っ!!んぅ、ぅ――っ!!!』


    繰り返される噛み付くような口づけに舌を吸われ、
    唾液で満たされた唇から溢れた唾液が床に小さく滲んだ。
    苦しさに自然と顰め面になる僕の顔を、ぼんやり眺める様に
    彼の唇が離されたなら、その手には自然に握り込まれたナイフが光った。
    空を裂くような風切り音と共に、僕の肩に薄いナイフの切っ先が
    突き刺さるなら痛みに僕の身体は跳ねた。


    『ぐっ、ぅ……ッ!!!』


    『何で、ねぇ何で?ダニー。
    君は僕の恋人なのにどうして僕ばっかり君が好きなの???
    ねぇ、もっとその身体に僕の痕を残さないとダメ??
    僕が君の恋人だって自覚できない??』


    『……ッ君の意識下での恋人の範囲が何処から何処までか知らないけど、
    僕と君との関係何て、付き合う前と大して変わってないだろっ!!』


    『そんな言い方するんだ……やっぱり君は分かってないよダニー。
    僕がどれだけ君に執着してるか、どんなに愛してるか……
    今日からずっとその身体に、分かる迄僕を刻み付けて上げる』


    彼のナイフで衣服は細かく擦れて、僕の身体は至る所が切り傷だらけだ。
    僕の肩を強く突き刺したナイフ以外はまるで、愛撫でもするように
    よく切れる彼のナイフで衣服越しに薄く、僕の肌を切り裂く程度で、
    徐々に痛みに慣れて来た。
    痛みの度合いで言えば真っ新な紙で手を切った程度の痛みだ。
    切った瞬間に痛みは感じず、
    触れたことでちくりと切れた事を知る痛みが
    継続して続く中、僕の手首に冷たい感触を感じそれが手錠だと知るのに
    然して時間はかからなかった。
    そのまま手錠を繋ぐ鎖を掴まれ、ずるずると引っ張られるなら壁に固定された
    鉄製のフックに両手が固定される形で釣り上げられた。


    『痛ッ……!?』


    爪先が僅かに触れる程度に吊るされてしまうなら、
    彼は僕の顎を掌で撫で、幾つものきり傷に彼の唇が触れた。


    『ッ……く』


    『ふふ、君の身体に僕のナイフの痕跡が刻まれる度ゾクゾクしちゃう』


    『ホント……君の嫉妬は相変わらず怖いね』


    『ダニーが悪いんでしょ??僕以外に君を触れさせるなんて……。
    本当なら、このまま此処で君を半永久的に閉じ込めたいのを堪えているんだよ。
    所詮この場所は何時か見つかる場所だから半永久的に閉じ込める何て無理なのは
    重々分かってる……分かってるけど……でも』


    徐々にトリックスターの声に自信が無くなっていくようで、
    その表情は痛みを与えている人物ではなく
    寧ろ痛みを与えられている者のように苦し気で僕は思わず微笑んだ。


    『本当に何処まで君は僕に溺れてるんだい?ジウン』


    『言葉で何て言い表せない位だよ……、それなのに君は平気で僕の前で
    他の人と触れ合うんだから……一人で酒場に行って……フランク達と楽しそうに』


    泣きながらトリックスターの手に握られたナイフが僕の腹を深く突き刺した。


    『あぐっ、ぅ……く、くく……ジウン……。
    僕がフランクとかち合った時、落とした僕の写真見る??』


    『え?』


    『今、僕の手は御覧の通り動けないし、僕の懐からかち合った原因を取り出してみてよ』


    トリックスターは躊躇いながら、僕の懐に仕舞っていた一枚の写真を取り出した。
    そこには僕との行為に蕩けて笑んでいる、トリックスターの表情が収められていた。


    『んなぁっ!?』


    『ふふ、これをフランクは見ちゃったんだよね……こんなもの大事そうに
    懐に仕舞ってる僕をフランクはどう思っただろうね??』


    『こん、こんなの……っ!い、い、いつ撮ったの!?』


    『愛してるよジウン』


    『う、うぅうっ~~!!!』


    僕は自由に動く唯一の両足で彼の腰を絡め、引き寄せたなら見つめ言った。


    『ジウン、キスしてよ』


    『ダニー……くそ、も、ズルいや……こんな』


    『ほら、キスして』


    『うぐぅ』


    真っ赤な顔で僕へ口づけるトリックスターが愛しくて仕方ない。
    こんなにも僕の事を殺したいほど思う君が、どれだけ愛しいと僕が思って居るか
    君だって知らないんじゃない???今度は僕が君をこうして縛り付けて
    その身体に僕のナイフを突き立てて、痛みと共に愛してると呟いて抱いてあげようか?
    歪んだ愛情表現を思考で巡らせ、今は只大人しく、彼の柔らかで甘い口づけに酔いしれた。
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