トリジェ「やっと見つけた、ジェイク、君隠密巧すぎ」
「何言ってんだ、今のお前は殺人鬼(キラー)で俺は生存者(サバイバー)逃げて当然だろ?」
既にゲート前、最後の一人になるまで僕を待っていた癖に、何て言葉を噛み殺すように笑みを浮かべながら、冷たく僕を突き放す彼へ距離を詰めた。急に歩み寄る僕に警戒を滲ませ少したじろぐジェイクだったが、敢えて向き合い強気に僕を見つめた。
「逃げないの?」
「逃げるけど?」
相変わらず愛想の無い返事で言葉を返すジェイクにつれないな、と少し切なく言葉を漏らした僕の胸ぐらを掴み睨む彼の顔が一気に近付きそのまま不器用に唇を重ねるだけのキスをされたなら、強く身体を押しやられふらつく僕の視界には慣れないことをした自分を恥じるかのように真っ赤な顔で彼が小さく呟いた。
「……これで、満足しとけよ……またな!トリックスター」
「また、こう言うことしてくれるの?」
「気が……向いたら」
「ふふ、嬉しいな君からキスが貰えて……ジェイク今度は僕からキスするね?」
「………」
ふいっと背を向けそのまま脱出を果たす彼の手が緩く振られ、その背は見えなくなった
「ホント、可愛いんだから……今度はキスだけじゃ終えられないかも」
ゆっくりと先程触れられた自分の唇に指を這わせ甘い吐息を僕は漏らした。